
EL GRITO SAGRADO ~聖なる叫び~ #14
マラドーナに憧れ、ブエノスアイレスに住んで35年。現地でしか知り得ない情報を発信し続けてきたChizuru de Garciaが、ここでは極私的な視点で今伝えたい話題を深掘り。アルゼンチン、ウルグアイをはじめ南米サッカーの原始的な魅力、情熱の根源に迫る。
footballista誌から続くWEB月刊連載の第14回(通算173回)は、この約半年の間に三たび国外移籍の夢を打ち砕かれた、アルゼンチン代表の次世代を担う21歳のDF、バレンティン・ゴメスの失望とその背景について。
アルゼンチンのサッカー選手にとって海外移籍は目標の一つであり、キャリアにおけるステップアップと経済的メリットを享受できる重要な機会だ。それだけに、ほぼ確定とされた移籍が何らかの理由によって実現しない事例が繰り返され、さらにその移籍がA代表入りのチャンスを広げるものだったとすれば、選手が受ける心理的な影響は計り知れない。
最近、そのようなケースが実際に発生し、話題を呼んだ。ベレス・サルスフィエルド所属のDFバレンティン・ゴメスが、わずか半年ほどの間に海外移籍のチャンスを3度も逃す不運に見舞われてしまったのである。
イタリア、ブラジル、イタリア…その間ベレスで優勝に大貢献
ベレスの下部組織でプレーしていた頃から才能の片鱗をのぞかせ、2022年に19歳でトップチームデビューを果たしたゴメスは、ほぼ同時期に当時の監督だったハビエル・マスチェラーノ(現インテル・マイアミ監督)によってU-20アルゼンチン代表に招集され、のちに2023年U-20W杯に出場。CBもSBもこなす実力はもちろんのこと、持ち前のリーダーシップからベレスでは21歳の若さでキャプテンを任され、昨年は安定したパフォーマンスでリーグ優勝に大きく貢献。アルゼンチン国内でプレーする若手の中で最も期待度の高い代表クラスの逸材として注目を集めている。……



Profile
Chizuru de Garcia
1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。