サウダージの国からボア・ノイチ 〜芸術フットボールと現実の狭間で〜 #13
創造性豊かで美しいブラジルのフットボールに魅せられ、サンパウロへ渡って30年余り。多くの試合を観戦し、選手、監督にインタビューしてきた沢田啓明が、「王国」の今を伝える。
footballista誌から続くWEB連載の第13回(通算191回)は、前回のコラム掲載後も続々と獲得が発表されたブラジル人新戦力の中から、J1の舞台に立つ4選手の経歴や特徴を紹介しよう。
ダニーロ・ボザの強さと巧さ
過去、Jリーグに参戦したブラジル人DFの中で間違いなくトップレベルにランクされる逸材が浦和レッズに加わった。
ダニーロ・ボザ、26歳。身長184cmのセンターバックで、屈強な体躯を生かし、対人守備で圧倒的な強さを発揮する。状況判断が素晴らしく、敵のパスをカットしたりスライディングで防ぐ能力が飛び抜けている。
足下の技術も高く、確実にボールをキープし、相手守備陣の隙間を探して精度の高いパスを繰り出す。のみならず、機を見て自らドリブルで持ち上がって敵に脅威を与える。空中戦にも強く、ゴール前でハイクロスをしっかり跳ね返すばかりか、味方のセットプレーでも威力を発揮する。
……
Profile
沢田 啓明
1986年ワールドカップ・メキシコ大会を現地でフル観戦し、人生観が変わる。ブラジルのフットボールに魅せられて1986年末にサンパウロへ渡り、以来、ブラジルと南米のフットボールを見続けている。著書に『マラカナンの悲劇』(新潮社)、『情熱のブラジルサッカー』(平凡社新書)など。
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