
EL GRITO SAGRADO ~聖なる叫び~ #11
マラドーナに憧れ、ブエノスアイレスに住んで35年。現地でしか知り得ない情報を発信し続けてきたChizuru de Garciaが、ここでは極私的な視点で今伝えたい話題を深掘り。アルゼンチン、ウルグアイをはじめ南米サッカーの原始的な魅力、情熱の根源に迫る。
footballista誌から続くWEB月刊連載の第11回(通算170回)は、心臓疾患による現役引退から3年、今やクラブ通算685試合385得点(2003-21)、アルゼンチン代表通算101試合42得点(2006-21)というピッチ内での実績がかすむほど、第二の人生でも活躍中の36歳について。
私が「クン」ことセルヒオ・アグエロの引退によせてコラムを書いたのは、2021年12月のこと。そこでは彼の屈託のない人柄に触れながら幼少期を振り返り、33歳の若さでプロ選手としてのキャリアに終止符を打たなければならなかった運命に心を痛めつつ、「これからはeスポーツ界で持ち前の“天真爛漫さ”を発揮して私たちを楽しませてくれるに違いない」と断言する形で締めくくっている。明るく無邪気で、誰からも愛されるキャラクターの持ち主だけに、引退後もきっと何か面白いことをやってくれるはずという期待を抱かせてくれたからだ。
あれから3年。新たな人生を歩み始めたクン・アグエロは、自身が所有するチーム“KRÜ”の運営をはじめとするeスポーツ界での活動にとどまらず、Twitchの登録者数470万人、YouTube公式チャンネルでも430万人超えの人気を博し、ビジネスマン兼ストリーマーとして成功を収めている。この調子でいけば、数年後には彼が15歳でプロデビューした天才児だったことも、北京五輪で金メダルを取ったことも、アディショナルタイムに劇的な勝ち越しゴールを決めてプレミアリーグで優勝したことも、リオネル・メッシ(インテル・マイアミ)がピッチ内外でアルゼンチン代表に溶け込むためのキーパーソンだったことも知らない人が出てきても不思議ではなく、それどころか近い将来、「元サッカー選手」の肩書きさえ忘れられてしまうかもしれない。世界的に名を馳せた代表クラスの選手で、引退後にストリーマーとしてこれほどの地位を築いたのは今のところ彼だけだろう。
Back to Beijing 2008.
Messi, Aguero and Gold.
@Argentina | @Olympics pic.twitter.com/1gCkAmJEcp
— FIFA World Cup (@FIFAWorldCup) July 27, 2024
先ほどクン・アグエロがライブストリーミングでメッシとおしゃべり。途中からパプ、パレデス、デ・ポルも登場。「自分はもうチームにいないけど気持ちの上では一緒」というアグエロに「君とジオ(ロ・チェルソ)はいつもここにいるよ」と答えるメッシ
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Twitch: SLAKUN10 pic.twitter.com/EElOWYg3v9
— 藤坂ガルシア千鶴 Chizuru Fujisaka de García (@chizurufgarcia) December 7, 2022
画期的な「草サッカー」大会を主催、1部リーグをしのぐ盛り上がりに
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Profile
Chizuru de Garcia
1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。