サウダージの国からボア・ノイチ 〜芸術フットボールと現実の狭間で〜 #8
創造性豊かで美しいブラジルのフットボールに魅せられ、サンパウロへ渡って30年余り。多くの試合を観戦し、選手、監督にインタビューしてきた沢田啓明が、「王国」の今を伝える。
footballista誌から続くWEB月刊連載の第8回(通算186回)は、コパ・アメリカを経て再開した2026年W杯南米予選で、パラグアイにも16年ぶりの金星を許したセレソンの混迷。まさか最多優勝国が出場枠増の恩恵を受けるとは……。
栄光に彩られた王国のフットボールに似つかわしくない悲惨な状況
9月6日、ホームでエクアドルを1-0で下して参加10カ国中の順位を6位から4位へ上げたが、10日、アウェイでパラグアイに1-0で敗れ、第8節終了時点(全18節)の通算成績は3勝1分4敗・9得点8失点で5位……。これが、2026年W杯南米予選におけるセレソンの9月現在の成績だ。まだ10試合残っているとはいえ、栄光に彩られたブラジルのフットボールに似つかわしくない悲惨な状況、と言わざるを得ない。
いずれの試合でもフォーメーションは[4-2-3-1]で、ネイマール(アル・ヒラル)は左膝の故障で欠場。エクアドル戦の先発メンバーは、2列目が右から初招集のルイス・エンリケ(ボタフォゴ)、ルーカス・パケタ(ウェストハム)、ビニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)で、CFがロドリゴ(レアル・マドリー)だった。
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Profile
沢田 啓明
1986年ワールドカップ・メキシコ大会を現地でフル観戦し、人生観が変わる。ブラジルのフットボールに魅せられて1986年末にサンパウロへ渡り、以来、ブラジルと南米のフットボールを見続けている。著書に『マラカナンの悲劇』(新潮社)、『情熱のブラジルサッカー』(平凡社新書)など。
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2024.11.15