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シャビは感情的過ぎた。“無敵の人”になって毒を吐くバルセロナ監督、退任の必然

2024.02.12

サッカーを笑え #1

footballista誌の創刊時から続く前編集長、木村浩嗣の人気コラムが毎週月曜更新のWEB連載として再始動。その初回(通算194回)は、1月27日に今季限りでのバルセロナ退団を表明したシャビについて。古巣を率いて3シーズン目、感情をコントロールできなかった44歳は監督として、人として未熟だったのか。

 シャビはメンタル的にも準備不足だったと言わざるを得ない。

 今季限りで退任することに関しては、シャビ・バルサが理想を実現できなかった3つの理由、という詳細な記事が出ているので、そちらを読んでいただくとして、ここでは彼のメンタル、対外的な人心掌握マネージメントの不備について書きたい。

「バルセロナの監督をするのは残酷で不愉快だ」

 「恥知らず!」

 今季限りを表明した対ビジャレアル戦(●3-5)、PK判定がVARで取り消されると、シャビは叫んだ。わざわざカメラに近寄って全世界のお茶の間に罵声を聞かせる、というのは前代未聞の光景だ。

 監督シャビの気性は激し過ぎる。

 「瞬間湯沸かし器」という表現があるが、秒で言ってはいけないことを口に出すという意味で、それを上回っている。昨季は監督としては極めて珍しい累積警告で出場停止となるなどラ・リーガだけで8枚のイエローをもらい、今季も開幕戦で一発レッドを食らった他、出場停止まであと1枚のリーチ(4枚)となっている(第24節終了時点)。選手時代の累積警告による出場停止は1回だけだから、どうやらベンチに座ると性格が変わる人らしい。……

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Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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