EL GRITO SAGRADO ~聖なる叫び~ #1
マラドーナに憧れ、ブエノスアイレスに住んで35年。現地でしか知り得ない情報を発信し続けてきたChizuru de Garciaが、ここでは極私的な視点で今伝えたい話題を深掘り。アルゼンチン、ウルグアイをはじめ南米サッカーの原始的な魅力、情熱の根源に迫る。
footballista誌の創刊当初から続く人気連載のWEB移行初回(通算160回)は、19歳から16年半プレーした欧州を離れ、キャリア6カ国目の新天地アルゼンチンにやって来たウルグアイ人、エディンソン・カバーニについて。2月14日で37歳を迎えるFWは、決して歩みを止めない。
「サッカー選手だった頃なら決めていたはず」と酷評されて
エディンソン・カバーニがボカ・ジュニオルスに入団してから、ちょうど半年が過ぎた。
かつてディエゴ・マラドーナ、ファン・ロマン・リケルメ(現ボカ会長)、カルロス・テベス(現インデペンディエンテ監督)など、ボカのクラブ史に名を刻んだ名手たちが背負った由緒ある背番号10を継承したカバーニ。昨年7月31日に行われたお披露目イベントではホームスタジアムのラ・ボンボネーラをほぼ満員にし、悲願のコパ・リベルタドーレス優勝に向けての活躍が大いに期待されていた。
半年と言っても、昨年11月半ばから負傷のため離脱していたこと、昨年12月は丸1カ月のオフとなったことなどから実質的な活動期間は4カ月半。その間、2月1日現在で18試合に出場(うち3試合は途中出場)し、打ったシュート数は31本、枠内シュートは12本、そのうち決まったのはたったの3ゴール。プロ生活19年目を迎え、これまで440ゴールをマークしてきた実績を誇るレジェンドも、ボカの10番をつけてからは本領を発揮できていない。
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Profile
Chizuru de Garcia
1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。