トリニータ流離譚 第4回
片野坂知宏監督の下でJ3からJ2、そしてJ1へと昇格し、そこで課題を突きつけられ、現在は下平隆宏監督とともにJ2で奮闘する――漂泊しながら試練を克服して成長していく大分トリニータのリアルな姿を、ひぐらしひなつが綴る。第4回はピッチ内外で大分トリニータを支えてきた「俺たちの高木駿」の移籍にあたって、あらためて「繋げるGK」ができるまでの過程と思考を本人の言葉とともに記録として残しておきたい。
8月16日、高木駿の札幌への完全移籍が発表された。
2017年に川崎Fから完全移籍加入以来、6年半。東京Vアカデミー時代から磨きをかけた足下の技術を生かしたビルドアップで、片野坂知宏前監督の特徴的なスタイル“カタノサッカー”の構築に大いに貢献した守護神だ。独特のボールポゼッションにより相手のプレスを誘っては繰り出す擬似カウンターの起点として、無二の存在感を放ってきた。……
Profile
ひぐらしひなつ
大分県中津市生まれの大分を拠点とするサッカーライター。大分トリニータ公式コンテンツ「トリテン」などに執筆、エルゴラッソ大分担当。著書『大分から世界へ 大分トリニータユースの挑戦』『サッカーで一番大切な「あたりまえ」のこと』『監督の異常な愛情-または私は如何にしてこの稼業を・愛する・ようになったか』『救世主監督 片野坂知宏』『カタノサッカー・クロニクル』。最新刊は2023年3月『サッカー監督の決断と采配-傷だらけの名将たち-』。 note:https://note.com/windegg