翌日更新! カタールW杯注目試合レビュー
難敵ポーランドとラウンド16で対峙したフランス。相手にチャンスを作られる時間帯もあったが、大エースのムバッペが2ゴール1アシストの大活躍を見せて快勝し、準々決勝進出を果たした。
連覇に向けて得た大きな手応え
「陶酔の始まり」
オリビエ・ジルーとキリアン・ムバッペが抱き合う写真にこんな見出しをつけたのは、ラウンド16のフランスvsポーランド戦の翌日の『ル・パリジャン』紙だ。
ケガ人続出で、どういう展開になるのか始まってみなければわからなかったレ・ブルーのW杯だったが、いよいよ連覇に向けて本格的な手応えが感じられてきた――そんなニュアンスがこの見出しには込められている。
メキシコと1点の得失点差のみでグループCを勝ち抜けた相手に対し、試合前、フランスのメディアは「ラウンド16に勝ち進んだ中で最も弱小の相手」という見方をしていた。しかし同時に「ラウンド16でスイスに敗れた昨年のEURO2020の経験を忘れてはならない」と予防線も張っていた。
試合前には、堅守を自負するポーランドが、がっちりブロックを作って守ってくることも想定されていたが、彼らは中盤に5人を並べ、サイドを広くカバーする戦術を採りながら、常に攻撃のチャンスを探って真っ向勝負を挑んできた。……
Profile
小川 由紀子
ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。