翌日更新! カタールW杯注目試合レビュー
最終節はガーナから2得点を奪い勝利。しかし韓国戦、ポルトガル戦で消極的な戦いを演じ、十分な勝ち点を積み上げられなかったことが影響し、南米の雄ウルグアイがグループステージで姿を消した。
慎重になりすぎた初戦と2戦目
勝たなければならない重要な一戦で、ディエゴ・アロンソ監督率いるウルグアイ代表は持ち得る力のすべてを出し切った。だが、目標であった得点も勝利も手に入れながら、後半のアディショナルタイムに決勝弾を叩き込んだ韓国に総得点数で2点及ばず、グループステージ敗退が決まった。
彼らを敗退させたのは本当に「韓国との総得点差」だったのか。ウルグアイのベンチでルイス・スアレスが半泣きになりながら試合の行方を見守るしかない状況を作ったのは、韓国の逆転ゴールだけだったのか。
その答えについて言及する前に、ガーナ戦までに起きたことを軽視するわけにはいかない。ウルグアイがこの試合で見せたすべては、それまでの2試合で実践しなかったすべてでもあったからだ。
アロンソ監督のウルグアイは、展開力に満ちた中盤と素早いサイドアタック、高い得点力を誇るストライカーを生かした攻撃的なサッカーで予選を勝ち抜いた。各ポジションに世界トップクラスの若手をそろえる豊かな人材をフル活用して新旧のタレント融合にも成功し、士気が低下していたチームに新しい風を吹き込んだ監督の仕事ぶりは高く評価され、人々はW杯本番でも同じサッカーを楽しむことができるだろうと期待していた。……
Profile
Chizuru de Garcia
1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。