REGULAR

後半の撃ち合い制し、「優勝候補」ポルトガルが緒戦をクリア【ポルトガル3-2ガーナ】

2022.11.25

翌日更新!カタールW杯注目試合レビュー

クリスティアーノ・ロナウドの5大会連続ゴールで先制したポルトガルが、ガーナとの激しい打ち合いを制し、幸先良くW杯のスタートを切った。

膠着の前半

 前半終了時点では、まさかこんなスコアになるとは想像しにくい流れだった。5バックで構えるガーナに対して、ポルトガルがボールを支配して長短のパスを織り交ぜて攻め込む。しかし、ガーナの守備は堅く、ポルトガルの決定機はロナウドのネットを揺らしたがファウルをとられたシーンとヘディングが枠を外れた場面、ベルナルド・シウバのラストパスをジョアン・フェリックスが打ち上げてしまったシュートの3つぐらいだった。

 ポルトガルは流動的なパスワークで70%に及ぶボール保持。トップのロナウドと2人のCBだけが固定的で、その中間はかなり人が動く。中盤の底はいちおうルベン・ネベスが固定気味ながら、ベルナルド・シルバとオタビオがポジションを変えつつ臨機応変に動き、ジョアン・フェリックスとブルーノ・フェルナンデスも前線から下りてくる。SBのラファエル・ゲレイロ、ジョアン・カンセロはサイド高くまで攻め込んでいく。

前半はポルトガルが高いボール保持率でガーナを押し込む展開となった

 個々の技術が高いだけでなく、相手の守備をよく観察していて、どこを圧縮させどこを開けるかを考えながらボールを動かしていた。短いパス交換をしながら、DFの奥のゴールへ直結するエリアへすかさず長いパスも送ることもある。この多彩な攻撃にガーナは混乱せず辛抱強く守っていた。

 ガーナも攻守両面で個人技が高く、ポルトガルのプレッシャーを巧みなキープでかわすなど、攻め込まれながらもカウンターの可能性を感じさせていた。試合の流れは膠着状態といっていい。……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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