『ガーディアン』紙コラボ企画!現地識者のW杯出場国ガイド⑧「クロアチア」
World Cup 2022:Guardian Experts’ Network – CroatiaTeam Guide
英国の高級紙『ガーディアン』の呼びかけのもと、出場32カ国の一流メディアが集結し、それぞれの代表チーム情報を共有する「カタールW杯コラボレーション企画」。footballistaは2018年W杯、2019年女子W杯に続き“日本代表”として参加した。内部事情に通じるエキスパートが寄稿した、主要国のチームガイドをシリーズでお届けしよう。
The Croatia player profiles were written by Aleksandar Holiga (https://twitter.com/alexholiga)
He writes for Telesport (https://telesport.telegram.hr/)
The plan|チーム状況
今大会に出場するクロアチア代表の先発メンバーを予想するのは、実に簡単だ。11人のうち9人は確定している。残る2人が誰になるかはわからないが、そのポジションに良い選手がいないからではない。その逆で、右ウイングとCFでは3、4人の実力者がスタメン争いをしている。誰を起用するかは、ズラトコ・ダリッチ監督が試合ごとにその時の選手の調子と対戦相手を見ながら決めていくだろう。過去には必要のない実験をいろいろと試みてきた指揮官だが、今では方針が固まり、戦い方が明確になっているのは喜ばしいことだ。
「戦い方は変えません。私たちのような中盤を構成するチームであれば、ボールを動かしてポゼッションしながらチャンスを作る必要があります。基本的には後方から組み立てますが、中盤の選手がボールを受けに下がってくる必要がない状況で戦えれば、相手チームは私たちをより脅威に感じるでしょう。可能な時にはプレスをかけますが、それができない場合は守備ブロックを作って守ります」
今年6月のUEFAネーションズリーグ2022-23開幕を前に、ダリッチ監督はこう語っていた。そしてクロアチアはフランス、デンマーク、オーストリアが同居するグループで首位通過を果たし(4勝1分1敗)、ファイナル4進出を決めた。
ダリッチ監督の基本システムは[4-3-3]で、[4-2-3-1]などのオプションを持つ。ルカ・モドリッチ、マテオ・コバチッチ、マルセロ・ブロゾビッチが組む中盤トリオの代表戦出場数を合わせると300試合を超えるが、新戦力が台頭しているポジションもある。特に守備陣だ。20歳のヨシュコ・グバルディオルと22歳のヨシップ・シュタロという両CBは代表の先輩であるベテランのコンビよりスピードがあり、ボールさばきもうまい。2018年W杯の銀メダリストたちの多くは今や後輩たちにレギュラーの座を譲り、昨年のEURO2020終了後にはさらなるレベルアップを図るべく、シュタロや同じくCBのマルティン・エルリッチ、左SBのボルナ・ソサといったチームにとって重要な戦力となる若手が加わっている。
The coach|監督
ズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalić)
56歳|クロアチア国籍|2017年10月就任……