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アーセナルの未来を担うブカヨ・サカ。「正対するドリブル」の凄み

2022.05.02

林陵平のマニアック技術論 Vol.14

Bukayo Saka
ブカヨ・サカ
(アーセナル)
2001.9.5(20歳) 178cm / 64kg MF England

海外の有名どころからマイナー選手まで幅広く網羅したゴールセレブレーションで話題になった林陵平は、自他ともに認める「JリーガーNo.1の海外サッカーマニア」と言われた。そんな彼が“今見ておくべき選手”のスキルを徹底解剖。今回はアーセナルの未来を担う20歳のウインガー、ブカヨ・サカの「正対するドリブル」を徹底解剖。

 今シーズンはDAZNでアーセナルの試合を解説することが多く、その中で気になっているブカヨ・サカを今回取り上げさせていただきます。

 余談ですが、アーセナル戦の中継を担当した時、反響の大きさに驚かされました。日本にはすごくたくさんのグーナー(アーセナルサポーターの愛称)がいるんだなと。そして、最近「林さん、グーナーでしょ?」とよく言われます。どうやら僕が「ジャカ砲」などの“グーナー用語”を使うのが理由みたいです(笑)。ただ、僕は海外サッカー全体のマニアで、いろんな選手やクラブの小ネタを収集しているんです。特定のクラブのファンということはなく、フラットに楽しんでいます。

プレミアリーグ第34節マンチェスター・ユナイテッド戦で、勝利を決定づけるチーム3点目をアーセナルにもたらしたグラニト・ジャカの弾丸ミドルシュート。ファンの間では「ジャカ砲」の愛称で親しまれている

サラーと同じく「背負えるウイング」

 前置きが長くなりましたが、サカの話に戻りましょう。CL出場権を狙うアーセナルにとって、残り試合のキーマンは間違いなく彼ですね。まだ20歳の若さで、これだけ安定した活躍を続けられるのがすごいです。左SBやウイングバックなどいろんなポジションを任されてプレーの幅を広げ、今シーズンは右ウイングに固定されてチームの攻撃の中心を担っています。

 ドリブル、パス、シュート。何でもできる選手で、状況判断もいいです。初速もトップスピードも速く、ボール扱いがうまくテクニックも十分。若い割に、とにかく隙がないモダンな選手ですよね。

 しかも、彼は「背負えるウイング」なんです。リバプールのモハメド・サラーがその代表格ですが、SBを背負った状態でパスを受けて反転して前を向けるんです。……

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Profile

浅野 賀一

1980年、北海道釧路市生まれ。3年半のサラリーマン生活を経て、2005年からフリーランス活動を開始。2006年10月から海外サッカー専門誌『footballista』の創刊メンバーとして加わり、2015年8月から編集長を務める。西部謙司氏との共著に『戦術に関してはこの本が最高峰』(東邦出版)がある。

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