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なぜ、ルベン・ディアスはペップ・シティの要なのか。モダンCBの3つのスキル

2021.02.27

林陵平のマニアック技術論 Vol.11

Rúben Dias
ルベン・ディアス
(マンチェスター・シティ)
1997.5.14(23歳) 187cm / 83kg DF Portugal

海外の有名どころからマイナー選手まで幅広く網羅したゴールセレブレーションで話題になった林陵平は、自他ともに認める「JリーガーNo.1の海外サッカーマニア」と言われた。そんな彼が“今見ておくべき選手”のスキルを徹底解剖。今回は移籍1年目からペップ・シティで不動の存在となったポルトガル代表CB、ルベン・ディアスの攻守の「3つのスキル」を解説。

 今回は、今やマンチェスター・シティのCB一番手となったルベン・ディアスを取り上げます。ポルトガルから移籍してきて、23歳とまだ若いCBなのでフィットするまで時間がかかるかと思いましたが、まったく問題なかったですね。グアルディオラはCBに求める基準が非常に高いのですが、ビルドアップ能力から対人守備、ヘディング、頭の良さ、リーダーシップまで完璧に備わっているオールラウンダーなDFです。今のDFは守備だけでは厳しくなってきていますが、モダンなDFの典型例みたいな選手ですね。

脇の下から繰り出すタックル、人ではなくスペースへのスライディング

 せっかくの機会なので、彼の優れた点を一通り解説していきます。まずFW視点で厄介だと感じたのが、背中を向けているFWに「くさびのパスが入った時の対応」。特にセンターサークルを越えた付近の中盤で見せる守備アクションで、FWが背中に来たCBを体を張って押さえますよね。その時、ディアスはFWの脇の下から足を伸ばしてボールに触ってカットしてしまうんです。これをやられるとFWは対抗手段がありません。手で足をブロックすることはできませんし、本当にどうしようもないんです。……

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Profile

浅野 賀一

1980年、北海道釧路市生まれ。3年半のサラリーマン生活を経て、2005年からフリーランス活動を開始。2006年10月から海外サッカー専門誌『footballista』の創刊メンバーとして加わり、2015年8月から編集長を務める。西部謙司氏との共著に『戦術に関してはこの本が最高峰』(東邦出版)がある。

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