10月24日から27日に行われる予定だったベルギーリーグ第10節のワースラント・ベフェレンvsシャルルロワ戦、オイペンvsメヘレン戦、セルクル・ブルッヘvsムスクロン戦の3試合が、新型コロナウイルスの感染拡大により延期となった。
ワースラント・ベフェレンは13人感染
現在ベルギーでは新型コロナウイルスの感染者が激増している。9月までは1日あたりの新規感染者が500~1300人だったが、10月に入って爆発的に急増。10月17日には1万人を超え、現在も収まる気配はない。保健相のフランク・ファンデンブルック氏は「津波に襲われている状況に近い」と発言している。
サッカー界も大きなダメージを受けており、ワースラント・ベフェレンでは最初に8人が新型コロナウイルスに感染した。ベルギーリーグの規約では7人以上の選手が感染した場合、延期が決められており、第9節のオーステンデ戦が延期に。現在、感染者は13人に増えており、第10節のシャルルロワ戦も続いて延期となった。
新型コロナウイルスの勢いは収まらず、ムスクロンでは9人、メヘレンでは8人が感染。ワースラント・ベフェレンと同じく、試合延期を強いられた。
ミニョレや伊東純也にも陽性反応
ワースラント・ベフェレンのみならず、ベルギーリーグのトッププレーヤーたちからも新型コロナウイルスの陽性反応者が続出している。クルブ・ブルッヘはUEFAチャンピオンズリーグの試合直前となる10月19日に、ベルギー代表GKシモン・ミニョレ、コートジボワール代表DFオディロン・コスヌら主力選手3人が感染。現在では回復しているが、ゼニト戦の欠場を強いられた。
10月24日にはヘンクのFW伊東純也も新型コロナウイルスに感染。出場停止で欠場した26日のヘント戦に続いて、30日開催予定のオイペン戦も欠場が濃厚だ。不動の右WGとして多くのゴールを演出してきた伊東の離脱は、現在11位と序盤で出遅れ、巻き返しを図るヘンクにとっては大きな痛手となった。
その他、スタンダール・リエージュは若手有望株のニコラス・ラスキンをはじめ3人、アンデルレヒトのウクライナ代表DFボグダン・ミハイリチェンコ、アントワープのベルギー代表DFジョルダン・ルカクなど、多くの選手が感染している。
再び無観客試合に
ベルギー国内での新型コロナウイルスの感染者急増により、プロリーグの代表を務めるピーター・クローネン氏は、10月23日に再び無観客試合の開催を発表。クローネン氏は「現状ではフットボールを続けることができる。しかし、リーグとしてはファンが安全にスタジアムへ行けるように努力してきただけに、感染者激増には大きな失望を感じている」と話している。
無観客試合の決定により、第10節に行われる予定だったアントワープvsベールスホットの「アントワープダービー」は無観客試合で行われた。
鈴木武蔵はベールスホット加入時のインタビューにおいて、国内屈指の熱狂的なダービーマッチを期待するコメントを発していたが、残念ながらアントワープのホーム、ボサイルスタディオンではファンを動員することができなかった。
リーグ戦の中止を呼びかける声も現状では大きい。新型コロナウイルスの感染拡大により、プロリーグは難しい判断を迫られている。
Photo: Getty Images
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シェフケンゴ
ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。