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大ケガ克服のザニオーロに再び悲劇。代表戦で左膝前十字靭帯断裂

2020.09.14

 9月7日のUEFAネーションズリーグのオランダvsイタリア戦で左膝を負傷したニコロ・ザニオーロが、13日にオーストリアで左膝前十字靭帯の再建手術を施されることになった。20日から始まる新シーズン前半戦の出場が絶望的となった。

「以前と同じ痛み」

 ザニオーロは1月のユベントスvsローマ戦で右膝を負傷し、前十字靭帯断裂と半月板損傷の重傷を負った。その手術、並びにリハビリは成功し、新型コロナウイルス感染症対策によるリーグ戦の延期もあって、7月には実戦復帰をすることができていた。

 実戦では故障前と同様の力強いドリブルなどを見せて好調をアピールし、9月にはイタリア代表にも復帰を果たした。ところが、その代表戦でまさかのアクシデント。オランダ戦で先発出場を果たしたが、試合中に相手選手と競り合った際にバランスを崩し、その際に膝を負傷した。

 痛めたのは手術をした右足ではなく、左足。「以前やった時と同じ痛みだ」とザニオーロは代理人に語ったというが、翌日にローマで検査を行ったところ、前十字靭帯の断裂が判明した。

 そしてザニオーロは以前手術を行ったローマのビッラ・ステュワート私立病院ではなく、オーストリアのインスブルックで人体再建手術の権威として知られるクリスティアン・フィンク教授の下で、13日に手術を行うことに決めた。

ジェコ、ミリクの去就にも影響か

 『コリエレ・デッロ・スポルト』は「ザニオーロはイタリア代表でのベテラン選手からの勧めを受けて、かつてジョルジョ・キエッリーニらの執刀にあたったフィンク教授を頼ることを決めた」とし、「ビッラ・ステュワートに反感などはなかったが、1月と同じ環境に身を置くことを望まなかった」と報じた。

 ローマもさらなる再発を恐れ、復帰の目標を来年の3月に置いてリハビリをさせる意図があるという。そしてザニオーロは同紙に対し「どういう期待が自分に掛けられているのかはわかっている。人間としてより成熟して乗り越える」と語った。

 一方、ザニオーロの故障はローマの、いや彼らのみならずイタリアの各クラブの補強戦略にも影響を与えている。

 一般紙『コリエレ・デッラ・セーラ』によれば、パウロ・フォンセカ監督はユベントスと移籍交渉に入っていたFWエディン・ジェコの放出をやめるようクラブに要請したという。その後釜としてナポリのアルカディウシュ・ミリク獲得のため水面下で接触していたとも伝えられているが、ボスニア代表の大型CFの放出がなくなれば、獲得に動くのも難しい。

 一方で、ミリクはクラブの提示した2025年までの契約更新は望まない一方で退団も拒否し、11日に行われたペスカーラとの親善試合には招集されなかった。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。

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