プレミアリーグをより魅力的なリーグにするため、英紙『Daily Telegraph』の記者が理想の20チームを選んでいる。
UEFAチャンピオンズリーグで4強に入ったこともあるリーズが、16年ぶりにようやくプレミアリーグ復帰を決めたことで、リーグの魅力が増すことは間違いない。
だが、もっとリーグの価値を高めるためにはどうすれば良いか。同紙の記者が独断と偏見で現プレミアリーグの20チームの中から5チームを除名し、新たに5チームを加えることにしたという。
「好きになるのは難しい」
除名するのはワトフォード、バーンリー、ボーンマス、ノリッジ、クリスタル・パレスの5クラブだ。ワトフォードについては「たくさんあるロンドンのクラブの1つに過ぎない。しかも、彼らの本拠地は実際にはロンドンでもない」と地理的な理由を挙げ、さらに「8位から17位あたりを行き来し、監督を解任し、招聘し、解任し、招聘し、また解任するだけ」とクラブ方針にも苦言を呈した。
一方で、バーンリーの除名の理由はこうだ。
「伝統ある家族的なクラブ。北部の小さな街のクラブで、優秀な監督を雇い、賢くお金を使って一致団結すればプレミアでも渡り合えることを証明し、多くのクラブに希望を与えた。だから除名するのは心苦しいが、彼らの試合は見るに堪えないし、好きになるのは難しい。毎晩のように何年も外で吠えている“勇敢なアンダードッグ”には飽きた。バーンリーへ行くのも面倒だしね」
ボーンマスについては「向こう見ずの青年監督が、4部からプレミアまでクラブを引き上げた“成り上がり”ストーリーは感動的だ」と称えながらも「今は大枚をはたくし、週給10万ポンドの選手もいる。スタジアムは小さいし、生き残るためだけに在籍しているクラブだ」と指摘する。
「ウェールズにもクラブが必要」
最下位での降格が決まっているノリッジに関しては「最多の降格回数なのだから、しばらくはプレミアから離れてもらおう。“ヨーヨー・クラブ”と呼ぶこともできるが、この時代に誰がヨーヨーで遊ぶのか?」とバッサリ切り捨てた。
クリスタル・パレスについては「サウサンプトンを選ぼうと思ったが、上司がサウサンプトンのファンだし、南岸エリアからは既にボーンマスを除名していたので」とパレスが犠牲になったことを説明。さらに次のような理由を挙げている。
「パレスはロンドン勢の中で一番エキサイティングを感じない。彼らがリーグ戦で何かしらの爪痕を残したのはいつだい? 恐らく90年代前半だろう」
この5チームに代わって参入するのはリーズ、シェフィールド・ウェンズデー、サンダーランド、ノッティンガム・フォレスト、カーディフだという。
最初の4クラブに関しては比較的にビッグクラブだし、歴史もあるので選出は納得できる。しかし、なぜカーディフなのか?
「とりわけ歴史もないし実績もないが、ウェールズにもプレミアのクラブが必要だ。それに、カーディフは英国内で訪れるべき素敵な都市だ。バーミンガム、ストーク、ボルトン、ポーツマスなどプレミアで結果を残したクラブは他にもいるが、純粋にウェールズにも1チーム欲しい。それ以上の言い分はない!」
さてさて、皆さんならば「理想の20チーム」にどんなクラブを選ぶだろうか。
Photo: Getty Images
Profile
田島 大
埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。