8月8日のクルブ・ブルッヘvsシャルルロワ戦から、ベルギー1部、ジュピラー・プロ・リーグの2020-21シーズンが開幕する。
新たなガイダンス制定へ
2019-20シーズンは、新型コロナウイルスの流行を受けた国家安全保障理事会が8月31日までの多数の観客を収容する大規模イベントを禁じたことにより、第29節消化時点でのシーズン終了が決定した。
現在ベルギーでは新シーズンの開幕に向け、新型コロナウイルス感染症対策として、新たなガイダンス制定に向けて動いている。
年間で650万ユーロ(約8億円)をかけ、年末まで毎週、1〜2部の全24クラブに所属する選手、コーチ陣、スタッフなど約1200人を対象としたウイルス検査の実施や、サポーターへのマスク装着への呼びかけ、密集を避ける導線確保などの対策を講じている。
国家安全保障理事会は6月末、屋内競技は200人、屋外競技は400人を上限とするイベントの開催が可能と発表した。ベルギー紙『Le Soir』によると、8月には屋内競技は400人、屋外競技は800人に上限が緩和され、さらに大きなスタジアムでは例外的に収容可能数が増加する可能性があると報じられている。
収容人数緩和を求めているが…
より多くのサポーターをスタジアムに入れたいベルギーのプロリーグ機構は、政府に対して収容可能数の緩和を働きかけている。しかし、ベルギーでは新たな感染者も増加しており、国家安全保障理事会は慎重な姿勢を取り続けている。
プロリーグ機構はソフィ・ウィルメス首相の決断を待っているが、理事会は23日に延期され、ベルギーのサッカー界は先行きが不透明のままだ。
8月31日にはスパ・フランコルシャン・サーキットで、F1のベルギーグランプリが無観客で開催される。
観客動員が緩和される「フェーズ6」は9月1日から開始。9月4日にスタッド・ドードワンで開催される国際陸上競技大会の「メモリアバンダム」では1万人の収容が予定されているが、国家安全保障理事会は決断を先送りにしている。
8月8日に同会場でUEFAにネーションズリーグのアイスランド戦を控えるベルギーサッカー協会にとっては、苛立ちを隠せない状況だ。
Photo: Getty Images
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シェフケンゴ
ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。