2016年から2018年にかけてRBライプツィヒを率いたラルフ・ハーゼンヒュットゥル。現在はサウサンプトンの監督として長期計画に携わる指揮官が、自身が以前に率いたチームについてコメントを残した。
イングランドの“マネージャー”としての役割を務める上で、ラルフ・ラングニックの仕事をすぐ近くで見られたことは大きく役立っているという。またユリアン・ナーゲルスマンが率いる現在のチームは、ハーゼンヒュットルの目から見てもスリリングなようだ。『シュポルトビルト』が6月10日に報じている。
「ナーゲルスマンのチームを好んで見る」
ナーゲルスマンが率いるチームを「とても気に入っている」と話すハーゼンヒュットルは、彼らの試合を好んで見るという。さらに「ナーゲルスマンのコーチングを聞くのはとても楽しい」と付け加える。同業者がタッチライン際でどんな指示を出すのかは、やはり気になるようだ。
「ナーゲルスマンは素晴らしい仕事をしている」と称賛する前任者は、選手たちの成長も見て取れると言う。今季は3バックも併用するチームで、マルセル・ハルステンベルク、ダヨ・ウパメカノらと最終ラインで広いスペースをカバーするルーカス・クロースターマンはそのうちの1人だ。
ハーゼンヒュットル、ラングニックの下では主に右SBを主戦場としており、ドイツ代表でも手薄なサイドバックを埋める存在として定着した。だが、ウィリー・オルバン、イバフラヒマ・コナテらケガ人が重なったことで、ライプツィヒに来るまでプレーしていたCBとして再び活躍を見せている。
「多くの選手がさらに成長し続けている。例えば、ルーカス・クロ-スターマンのような選手が突然、再びCBとして活躍していたりする。こういうのを見るのはスリリングだ」とハーゼンヒュットルは評価する。
「チームは、さらに発展させ、刺激を与えてくれるコーチを必要としていた。ユリアンはそれを成し遂げたんだ」
「将来も成長し続ける」
来季からチェルシーに加入するドイツ代表ストライカーのティモ・ベルナーにも、変化が見られるという。「素早いトランジションに重点を置き、敵陣深くにスピードのある選手を送ることを狙うチーム」がベルナーに最適なクラブという認識を示した上で、「ナーゲルスマンの下でさらに成長の跡を見せている。ユリアンは攻撃のコンビネーションプレーに参加することも要求していたんだろうね」とプレーの幅が広がったことを説明した。
今季もUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得したRBライプツィヒだが、タイトルを獲得できる日は訪れるのだろうか。
「将来も成功し続けると信じている」と話すハーゼンヒュットルだが、バイエルンとドルトムントという「非常に安定している」2強の牙城を崩すのは簡単ではないと見ている。
だが、今季のCLはポルトガルのリスボンで行われる一発勝負のトーナメント形式だ。勢いに乗れば止められないチームだけに、短期決戦が有利に働く可能性もある。
選手の移籍やケガなどで形を変えながらも、チームは進化を進めている。得点源だったベルナーの穴を埋めるアイディアなど、これからもこのチームは見どころが尽きない。
Photo: Getty Images
Profile
鈴木 達朗
宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。