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イブラヒモビッチよ、どこへ行く。イタリア再上陸のXデーはいつか

2019.12.18

 「再び優勝を目指しているチームに行く。自分のモチベーションが焚き付けられるのはそのくらいだし、家族の意見もあるからね。近いうちにイタリアで会おう」

 ファッション誌『GQ』イタリア版のインタビューの中で、ズラタン・イブラヒモビッチが去就について語ってから10日以上が経った。セリエA、もっと言えば古巣ミランへの復帰を示唆したものとされている。クラブも交渉を否定はしなかったが、その後、目立った進展は見られていない。

古巣ミランは獲得に否定的?

 ミランは12月15日のサッスオーロ戦で、クラブ創立120周年のセレモニーを実施した。歴代のスターを集めたイベントに合わせ「その目玉としてイブラヒモビッチ獲得が発表される」と報じていたメディアもあった。しかし、同様の発表は何もなされず、むしろクラブ幹部からは、どちらかといえば否定的なトーンのコメントが出てきた。

 ミラノ市内の高級ホテルで行われた謝恩会の後、パオロ・マルディーニTDは民放TV『メディアセット』に対して「確かに選択肢の1つだし、もうずっと長いこと話をしている」とした上で、「他の選択肢もあるということ。(交渉が)長引けばさすがに難しい。ズラタンは38歳になる。最後に彼が実戦でプレーしたのは10月25日で、もう1カ月以上も空いている」と懸念を述べた。これを受けて一般紙『ラ・レプッブリカ』は、「謝恩会の席上では『イブラヒモビッチはイタリアには来ず、そのまま引退さえしまうのではないか』との噂まで流れていた」と報じた。

イブラ側は契約期間を懸念か

 とはいえ、ミランが交渉を中断していないのも事実のようだ。12月16日、ズボニミール・ボバンCFOは国営放送『RAI』のラジオに対し「どうなるかはこの先数試合の間で見てみよう。イブラは他のソリューションとは違って唯一無二だ。28歳の全盛期にあるわけではないが、性格とパーソナリティが強烈で、クラブの環境全体に影響を与えられる」と評価を口にした。

 『コリエレ・デロ・スポルト』によれば、ミランは6カ月間で300万ユーロの俸給、ならびに欧州大会出場権を勝ち取った場合に向こう12カ月間の契約延長オプションを提示しているとし「他のクラブが40歳近くの選手にこれだけの厚遇を用意することはないとはずだとミランは確信している」と報じた。

 もっとも、イブラヒモビッチ側の懸念は短期の契約期間にあり、家族を移住させるのは大変だと考えていると伝えられている。実は、現在はあのシルビオ・ベルルスコーニ氏とともにセリエCモンツァの経営に携わっているアドリアーノ・ガッリアーニCEOが「最後の1年間はセリエAで、という約束のもと、2年半の契約を提示していた」ことを明らかにした。イブラヒモビッチからは丁重に断られたとのことだが、契約期間を気にしていることがサッカー関係者の間に伝わっていることが分かるエピソードだ。

 冬のメルカート解禁までに折り合いがつくのか、推移が注目される。


Photo: Getty Images

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LAギャラクシーズラタン・イブラヒモビッチ

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。

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