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登録巡るゴタゴタが続くマラガ。岡崎ら新戦力が公式戦に出られず

2019.08.27

招集リストに岡崎慎司の名はなかった

 24日のラス・パルマス戦、マラガのビクトル・サンチェス監督の招集リストに岡崎慎司の名はなかった。これはもうみなさんご存じの通りだと思うが、財政状態の悪化が原因でファイナンシャル・フェアプレーに引っ掛かり、彼には選手ライセンスがないからだ。チームと練習もしている。親善試合にも出た。が、公式戦では選手登録がされていないから、招集も出場もできない。

 そのラス・パルマス戦のスターティングメンバーにはCFがおらず、偽CFとして起用されたのは攻撃的MFアドリアン。岡崎のポジションであり、同じく新加入のホセ・ロドリゲスのポジションなのだが、同じ事情でともにユニフォームすら着られなかった。

 その一方で、ファンピ、ケコ、ロロンという実質的に戦力外の3人が招集され、ファンピはトップ下として先発した(しかも、段違いのテクニックを見せ付けて大活躍!)。彼らは先週2人の選手を放出したことで年俸キャップに空きができ、新規登録が許された選手だった。ビクトルとしては戦力外の者たちよりも、岡崎とホセ・ロドリゲスを登録したがったが、新契約の選手よりも契約済みの選手を優先的に保護する、スペインサッカー連盟の規則によってそれは叶わなかった。

1部昇格なんて目標はおこがましい

 だが、それでも前週よりはましだったのだ。

 開幕節のラシン戦では、トップチームの選手ライセンスを持つ選手が9人しかおらず、18人の招集枠のうち残り9人をBチームの選手で満たさざるを得なかった。しかも、試合中にプロのうち2人が負傷退場し、4人のBチームの選手をプレーさせなければならなかった。これはルール違反すれすれである。トップチームの試合では、同時に5人以上のBチームの選手をプレーさせてはいけないからだ。

 だが、試合後ラシン側から物言いが付いた。「Bチームの選手は最大でも6人までしかベンチ入りできないから、9人をベンチ入りさせたのは不正だ」と言うのだ。たしかに、連盟の規定には「ベンチ入りは6人まで」で「出場は同時に4人まで」とある。

 これ、私が見てもラシンの言い分が正しい。規定を守るためには、マラガは最初から15人分のベンチ入りリスト(トップ9人+B6人)を提出しておけば良かったのだ。

 やりくり上手のビクトルはラシンに勝利し、ラス・パルマスとは引き分け、と大健闘を見せている。が、もし不正が確定すれば、ラシン戦の勝利は取り消され、さらに3ポイントマイナスの罰則が科される。となると、勝ち点はマイナス2で当然、最下位転落である。

 “もうどうせ、マイナスからのスタートなんだから関係ない”と開き直るしかないが、と同時に“1部昇格なんて目標はおこがましい”と恐縮すべきだろう。タイムリミットは9月2日の移籍市場閉幕である。


Photo: Getty Images

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マラガ岡崎慎司

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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