日本代表、ウルグアイ相手に白熱ドロー
試合後はブラジルのメディア関係者、多くのウルグアイ人から声をかけられ、日本の健闘を讃えられました。その言葉に悔しい気持ちが余計に……。初戦を0-4で落としていたので、舐められていた部分はあったのでしょう。とにかくコパ・アメリカ初のグループリーグ突破に可能性を残したことは素直に嬉しいことですね。それでは2-2のドローだった第2戦、ウルグアイ戦を写真で振り返っていきましょう。
試合が行われたのはポルトアレグレにあるグレミオのホームスタジアム「アレーナ・ド・グレミオ」。ブラジルの南部に位置するポルトアレグレは、ウルグアイの国境まで車で5時間ほどということもあり、多くのウルグアイサポーターがスタジアムに駆けつけた。スタジアム前の酒場は、飲んだくれているウルグアイサポーターで溢れかえっていた。
殺伐とした雰囲気はまったくなく、カメラマンビブスを着た自分を見つけると写真を撮れと何度もせがまれた。
近代的なサッカー専用スタジアムということもあり抜群の臨場感。屋根付きなのでサポーターの声援もスタジアム内に響き渡る。
なぜか中島翔哉をエスコートしたキッズが号泣。それをあやす中島。
ウルグアイのオスカル・タバレス監督は椅子をピッチにあげていた。
A代表初スタメンも堂々たるプレーで存在感を発揮したDF岩田智輝。東京五輪代表の右サイドのポジション争いは激化するかもしれない。
岩田は攻め上がりも効果的だった。
スタメンの岡崎慎司は惜しいシュートを何度も放ったが決めきれなかった。2点目のシーンはニアに飛び込み、しっかりとゴールをお膳立てしたのは、岡崎らしい素晴らしいプレーだった。
三好康児の先制点は右足一閃! ウルグアイサポーターで埋め尽くされたスタジアムの雰囲気は「え?」という感じで何が起こったのかを理解するのに時間を要するほどだった。写真を見て気づいたが、このときすでにディエゴ・ラクサール(その後に負傷交代)は苦痛の表情を浮かべていた。それを感じて仕掛けたということかもしれない。
2得点のシーンだけでなく、ウルグアイは三好に翻弄されていた。第3戦のエクアドル戦も是非スタメンで起用してほしい。状況判断ができる三好と久保建英の2人がピッチに共存すれば、その化学変化は凄まじいものになるのではないか。
状況判断の三好と久保に対して、徹底的に自分の型で勝負したのが中島翔哉と安部裕葵。
このレベルの相手に“自分の型”で推進力をもたらすことは並大抵の事ではないが、もっともっとできるはず。
中盤にヘディングでしっかり跳ね返せる選手がいると、試合の流れは大きく違う。
エディンソン・カバーニにも競り勝つ板倉滉の空中戦は頼もしかった。
全ては川島永嗣が数々の決定的シーンを防いでくれたおかげだった。絶体絶命と思われたカバーニとの一対一もご覧のようにファインセーブ!
U-20ワールドカップに続いて「VAR憎し」という感じになってしまっている。
PKの判定が下されたときは、森保一監督もさすがにこのリアクション。
どんな状態でボールを受けてもシュートまで持ち込めるカバーニとルイス・スアレス。
PKではスアレスに巧みに逆を突かれた。
ウルグアイのキャプテンを務めたディエゴ・ゴディンの激しいディフェンス。
それでも本調子ではなかったかもしれない。
随所に鋭いスライディングタックルを見せたホセ・マリア・ヒメネスはセットプレーからゴールも決めた。
アトレティコ・マドリーでもコンビを組んだゴディンと喜びを分かち合う。
今大会初の勝ち点1を取って第3戦のエクアドル戦に望みをつないだ。ベロ・オリゾンテの地で今度はコパ・アメリカ史上初の勝ち点3を取ってくれるのではないかと期待が高まる。
Photos : MC Tatsu
Profile
池田 タツ
1980年、ニューヨーク生まれ。株式会社スクワッド、株式会社フロムワンを経て2016年に独立する。スポーツの文字コンテンツの編集、ライティング、生放送番組のプロデュース、制作、司会もする。湘南ベルマーレの水谷尚人社長との共著に『たのしめてるか。2016フロントの戦い』がある。