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チェルシーのアタッカーが言及。女子選手の体型とフットボール

2024.01.13

 イングランド代表のアタッカーが、女子サッカー選手の“見られ方”について言及している。

 女子アスリートは、男子選手と比べて膝のケガが多いと言われている。骨格など様々な要因があるそうだが、栄養管理も原因の一つなのかもしれない。チェルシーの女子チームで活躍するイングランド女子代表のFWフラン・カービー(30歳)が、栄養摂取の重要性と女性選手のイメージについて語っているのだ。

炭水化物への恐怖心に警鐘

 2015年からチェルシーでプレーするカービーは、様々な困難を乗り越えてきた。4年前には心膜炎と診断されてプレーできない時期があった。昨年は膝のケガによりFIFA女子ワールドカップを欠場することに。チームメイトが決勝まで勝ち上がるなか、カービーは復帰に向けてリハビリの日々を送っていた。そんな大ケガから復帰した彼女が、年々注目が高まる女子サッカー選手たちの苦悩を告白した。

 チェルシーが制作したドキュメンタリーの中で、カービーは食生活の重要性について触れた。「栄養摂取は体のリカバリと密接な関係を持つと思う。ひいてはケガともつながっている。だから食生活はエネルギー補給という観点だけでなく、ケガ予防やリカバリといった面からもしっかりと考えないといけない」

 そして「今でも炭水化物に対する恐怖心があると思う」と女子サッカー界の問題について指摘したのだ。

 「それは女子サッカー界全般について言えること。90分間パフォーマンスを維持できるエネルギーを摂取するのは大事だけど……それに伴う“汚名”もある。女子サッカーへの関心が高まってきたことで、選手の体重や“見た目”についてのコメントが増えた」

 「でも本来、見た目なんて関係ない。勝つために、強くなるために、自分の体が食事を必要としているなら食べるべき。カメラ映りなんて気にすべきではないわ」

体型よりもパフォーマンス重視を

 これは酸いも甘いも噛み分けてきたカービーだから言えることだろう。彼女だってカメラ映りや心無いコメントを気にしていた時期があるという。4年前、心臓疾患により練習ができずに体重が増えた時、自分の体型について視聴者などのコメントを読んで傷ついたという。

 「自分についていろいろなコメントを目にしてきた」と、先日カービーは『BBC』にて語っている。「そう見られているんだと思い、今だって傷つくことはある。以前よりかはうまく対処できるようになったけどね」

 「(誹謗中傷に)慣れることはない。でも自分は長いことプレーしてきて、SNSなどでいろいろと言われてきたからね」と割り切っているカービー。彼女が心配するのは自分よりも若い選手たちのことだ。

 「若手選手は心無いコメントを目にすると、食べるのを控えることがある。するとパフォーマンスも低下する。知り合いの選手から相談されることがあるが、その時は『こういったものを食べなさい』と伝える。自分も摂取を控えたことがあるが、パフォーマンスに影響が出たからね。だから今は、可能な限りみんなにアドバイスを送りたい。ベテラン選手はそうすべきだと思うからね」

 そして、こう主張する。「最高峰のレベルでプレーするフィットネスにあり、安定して良いパフォーマンスを発揮できているのであれば、その選手の体型は話題になるべきではない。そのことを、みんなが気づくことが重要だわ」

 欧州の女子サッカー界は急成長を見せており、これからもいろいろな問題が出てくるだろう。だからこそ、フラン・カービーのような経験豊富な選手が若手をリードすることが大切なのだろう。


Photo: Getty Images

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チェルシーフラン・カービー

Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。

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