2010年の南アフリカ大会でドイツの水族館で飼育されていた“予言タコ”のパウル君が一世を風靡して以来、ワールドカップでは様々な動物が勝敗を予想してきた。
2014年ブラジル大会ではオーストラリアでカンガルーが、スイスでモルモットが、ブラジルでカピバラなどが勝敗の行方を占った。前回の2018年ロシア大会では、耳の不自由な白猫「アキレス」の予言が話題になったのを覚えている人も多いはずだ。
そして今回、イングランドである動物が勝敗予想に挑んだという。それが10歳のアルパカ「アルフィー君」だ。英紙『Daily Mirror』によると、そのアルフィー君が1966年大会以来の頂点を目指すイングランドのグループステージでの戦いを予想したという。
初戦は意外な結末に…?
アルフィー君は、オックスフォードシャーにある『フェアリーテール・ファーム』という体験型の牧場で飼育されているアルパカで、同施設の飼育員によると「賢くて反応が良い」そうだ。そこでイングランドの命運を占わせてみることになったという。
今大会、イングランドはイラン、アメリカ、ウェールズと同じグループB。FIFAランクの順位を見ると最も熾烈なグループとされているが、やはり本命はイングランドのはず。では、アルフィー君は実際にどのチームが勝ち上がると予想したのだろうか?
アルフィー君には、対戦する2チームの国旗を付けた2つのエサ箱から片方を選ばせて勝敗を占わせたという。すると11月21日に行われるB組の初戦、イングランドvsイランでは「イラン」を選んだそうだ。いきなり黒星スタートを切ったイングランドだが、アルフィー君によるとその後は2連勝。2勝1敗で無事にノックアウトステージに進むという。
突破するのはウェールズではない?
そのイングランドとともにベスト16に駒を進めるのはアメリカだ。アメリカは初戦でウェールズに勝利した後、次のイングランド戦には敗れるも、イランとの最終戦を制して2勝1敗。これでB組からはイングランドとアメリカの2チームがノックアウトステージに進むことになる。
単なるお遊びの占いに過ぎないが、飼育員のニックさんは「アルフィーは賢いアルパカで常識があるんだ。うちの施設で動物に占いをお願いするとしたら彼しかいない」とアルフィー君の“霊能力”に太鼓判を押す。
それでも64年ぶりのW杯で早期敗退を強いられるウェールズを気の毒に思ってか、「僕らはアルフィーが間違っていることを願うよ。イングランドとウェールズの両チームが突破するといいね!」と英国勢2チームにエールを送った。
果たしてアルフィー君の予想は的中するのか。英国勢2チームが同居するグループBの戦いに注目したい。
Photo: Getty Images
Profile
田島 大
埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。