リーガMX(メキシコ1部リーグ)に所属するアトラス、パチューカ、レオン、サントス・ラグーナ、ティファナ、ケレタロの6チームは、Charlyというメキシコのスポーツメーカーとユニフォームのサプライヤー契約を結んでいる。そしてこのほど、Charlyがこの6チームとメキシコの老舗プロレス団体「AAA(トリプレアー)」とコラボしたユニフォームを発表した。
ド派手なユニフォーム
メキシコのプロレスは「ルチャ・リブレ」と呼ばれ、華やかなマスクをかぶったルチャドール(覆面レスラー)と派手な空中殺法で人気を博している。サッカーと並び、メキシコのスポーツ文化を象徴する存在と言える。AAAは1992年に設立された団体で、レイ・ミステリオなど人気レスラーを多数、輩出している。
今回のコラボでは、6チームそれぞれをイメージしたルチャドールのキャラクターが生み出された。各ルチャドールのリングネームは以下となっている。いずれも“ルチャドールっぽい名前”だ。
・アトラス:エル・アカデミコ
・パチューカ:スーペル・トゥーソ
・レオン:レオニダス
・サントス・ラグーナ:エスピリトゥ・ゲレーロ
・ティファナ:レイ・ソロ
・ケレタロ:レシステンシア・エテルナ
そして、コラボユニフォームは「Del Ring A La Cancha(リングからピッチへ)」というコンセプトの下、各ルチャドールのマスクがデザインされ、かなり派手な容貌になっている。
基本的には各チームのチームカラーを生かしたデザインとなっている中、異彩を放っているのはアトラスのユニフォーム、チームカラーは赤と黒なのだが、今回のコラボユニフォームの生地は鮮やかなイエロー。そこに赤、水色、紫、オレンジでマスクやクラブのエンブレム、「LUCHA LIBRE」、「ROJINEGRO(赤と黒)」などの文字が大胆にデザインされている。その配置やフォントは、ルチャ・リブレの会場に掲出されるポスターをイメージさせるものだ。
早くもソールドアウト
これらのユニフォームは単なるコラボレーショングッズや応援アイテムではなく、来年1月に始まる2021-22シーズン後期リーグの試合で実際に着用される予定だという。
また、すでにオンラインショップで販売を開始しているクラブもあり、先ほど紹介したアトラスのユニフォーム(オンラインショップでは「3rdユニフォーム」とされている)は、よほどサポーターの心に刺さったのか、早くも全サイズがソールドアウトとなっている。
後期リーグで当該6チーム同士が対戦する際は、両チームがこのコラボユニフォームを着用する可能性もある。そうなった場合は、ルチャ・リブレさながらの華やかな試合を期待したいものだ。
Photo: Getty Images
Profile
池田 敏明
長野県生まれ、埼玉県育ち。大学院でインカ帝国史を研究し、博士前期課程修了後に海外サッカー専門誌の編集者に。その後、独立してフリーランスのライター、エディター、スペイン語の翻訳家等として活動し、現在に至る。