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中村憲剛、黒木ひかりも期待!リモート観戦をより楽しくするヤマハ×DAZNの新プロジェクトがスタート

2021.05.11

新しい観戦スタイルの提供

 ヤマハ株式会社(以下、ヤマハ)が2020年5月にリリースしたリモート応援を楽しめるアプリ『Remote Cheerer powered by Sound UD』(以下「Remote Cheerer」)。ユーザーは「トークルーム」を立て、スポーツの試合実況や解説、雑談など音声トークの配信や、それを聞いている他のファンとの交流を通じてインタラクティブに試合観戦を楽しむことができる。

 新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、多くのスポーツイベントの観戦が制限される中、自宅など離れた場所からでもファン同士が交流できる本アプリは急速に利用者を増やしつつあるが、プロデュースしたヤマハの岩田貴裕氏は「Remote Cheererが開発された目的はコロナとは別」と説明する。

 「病気やケガで入院している方や、介護や育児が忙しくスタジアムに行きたくても行けない方が遠隔からでもスタジアムに応援する気持ちを届けられるようにしたいという考えで開発しました」

 アプリ内にあるボタンをタップするとスタジアムのスピーカーから声援が流れる『スタジアム連動機能』も提供しており、“応援”は「Clubhouse(クラブハウス)」などの音声コミュニケーションを軸とした類似アプリとの違いでもある。

 そんなRemote Cheererに注目したのがスポーツ・チャンネルDAZN(ダゾーン)だ。様々な場所でスポーツ中継を視聴できるインターネット配信との親和性の高さに加え、DAZNの活動指針である「ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平性)・インクルージョン(包括性)」にも合致した。

 DAZNとヤマハは多様な環境にいる多くのファンにライブスポーツの興奮と楽しさを提供することを目指したパートナーシッププロジェクト「For The Fans Project(フォー・ザ・ファンズ・プロジェクト)」を2021年4月より立ち上げ、同年5月2日には同プロジェクト企画第一弾としてDAZNの人気番組「やべっちスタジアム」とのコラボーレションイベントを実施。中村憲剛氏、黒木ひかり氏をMCに迎え、Remote CheererにてJリーグ第12節セレッソ大阪ガンバ大阪戦を観戦しながらの音声トーク番組を配信した。

 このイベントの狙いについてDAZNストラテジー&クライアントサービス部部長・大島久之介氏は「スタジアムで応援できないことを寂しく思われている方、ストレスを感じられている方は多いと思います。『Remote Cheerer』はその解決策の1つになると思っています。まずはアプリの認知を高めるために人気番組である『やべっちスタジアム』とのコラボレーションを企画しました」と語る。

 同イベントには「想像以上の数」(大島氏)という2000人を超えるユーザーが参加。通常の試合中継とは違うリラックスした中村憲剛氏や黒木ひかり氏のトークにファンがチャットを通じたコメント投稿という形でリアクションし、インタラクティブにイベントは進行された。

 「今回のイベントを通じて、多くの方と一緒に試合観戦をしているような新しい観戦スタイルを体感いただけたと思っています。応援を通じてファン同士や会場との一体感を促進する機能やイベントを引き続き企画したいと思っています」(岩田氏)

 今後は「DAZNとスポーツメディアがJリーグを盛り上げるために行っている取り組みである『DAZN Jリーグ推進委員会』に参加いただいているサッカーメディアさんとのコラボレーションや、イベントMCや出演者と参加者が(チャットではなく)直接会話できるイベント」(大島氏)も計画しており、Remote Cheererを活用したサッカーファンのコミュニケーションはさらに促進される見込みだ。

DAZN大島氏(写真左)とヤマハ岩田氏

「嫌いな食べ物は何ですか?」

 ここからは、イベントで実際にRemote Cheererを利用した中村憲剛氏と黒木ひかり氏の声をお届けする。

 イベント終了直後、「大いなる可能性を感じました」と語ったのは中村氏。普段の中継解説とは違うRemote Cheererならではの配信スタイルに手ごたえを感じたという。

 「通常の解説では目の前の事象に対してコアな話をした方がニーズもあるし、喜ばれる。だけど、今日は家感覚というか……新しいジャンルでしたよね。(コメントという形で)参加者から反応が見えるのもライブ感があって楽しかったですし、そのコメントをヒントにして会話が発展することも、みんなで番組を作っている感じがして良かったです」

 番組途中には「難しい言葉を使わないようにしている」という中村氏の解説方針を参加者が「ひらがな解説」と名付けたことを本人が喜ぶシーンや、緊張感ある状況が続いた試合終盤には沈黙が続くなど、中村氏の新しい一面が垣間見られる配信となった。

 「(試合終盤、沈黙が続いたことについて)放送だったら完全に事故ですよね(笑)。そういう意味ではNGがないというか、番組内容がカッチリしていないのは会話の内容に幅をもたらすことができるので」

 「フリーダム(笑)」(中村氏)な番組内容になった要因として、もう1人のMCである黒木ひかり氏の存在がある。黒木氏本人も「こんなにラフにやっていいのかなと思った」と語るほどリラックスしたトークを展開した。その天真爛漫なキャラクターは『やべっちスタジアム』視聴者にはお馴染みだが、今回のイベントでも試合中「嫌いな食べ物は何ですか?」と中村氏に唐突な質問を投げかけて笑いを誘う場面も(ちなみに、中村氏の答えは「セロリ」)。

 「だって、サッカー選手に聞けないじゃないですか!普段聞けないことをここで質問できたらいいなと思って(笑)。今回のイベントで楽しかったのはサッカー以外のプライベートな話も聞けたこと。次回は『質問コーナー』があっても楽しいかもしれないですね」

 黒木氏の存在はイベントのアットホームな雰囲気をつくる上で重要な役割を果たしており、中村氏も「黒木さんがああいうキャラクターだから僕もやりやすかった」と感謝を口にする。事実、参加者からのコメントも好意的なものが多かった。

 「うれしいですね。イベント中に聴いていただいている方からの質問や、感想を見ることができるのは今までにない体験でした。スタジアムで観戦するのはもちろん楽しいですが、リモートはリモートで別の楽しみ方があるんだなって。こういうのが世界的に主流になるといいなと思いました」

 番組内容、参加人数……1回目のイベントを終え、確かな手ごたえをつかんだ両氏にRemote Cheererのユーザー、DLを検討している方にメッセージをもらった。

 「まず今回のイベントに参加した2000人の方には感想を口コミで広げてほしいです。参加するのに難しい手続きは何もないですし、気軽にDLできるアプリなので。今後、いろんな方が使うことで化学反応も起きると思います」(中村氏)

 「サッカーを試合観戦し始めてから間もないですが、今後はプレーもしてみたいと思っているので、黒木に知ってほしい知識や、教えていただけるサッカーの情報などあればRemote CheererやSNSを通じてコメントしてもらえるとありがたいです」(黒木氏)

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Profile

玉利 剛一

1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。その後、筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。2019年よりフットボリスタ編集部所属。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆を行っている。サポーター目線をコンセプトとしたブログ「ロスタイムは7分です。」も運営。ツイッターID:@7additinaltime

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