日本人の欧州挑戦は? プレーヤートレーディングは? コロナ後の移籍市場はどうなる?
【コロナ禍で揺らぐフットボールバブル】#5
リーグ戦が7月、欧州カップ戦に至っては8月まで続く異例の日程は、本来なら今まさにピークを迎えているはずである移籍市場の様相を大きく変えている。その実情について、代理人を務める柳田佑介氏に明かしてもらうインタビューの後編。 ※このインタビューは7月1日に実施した
――ここ数年の流れとして、すでに完成された選⼿よりも若くて魅⼒的な10代の若⼿に投資する“プレーヤートレーディング”の流れがありましたが、今季の移籍トレンドはどうなるでしょうか?
「プレーヤートレーディング的な選⼿獲得が⾏えるのは、クラブに現在投資を⾏うだけの資⾦的余裕があり、1年後、2年後に選⼿の価値が上がって⾼く売れるという⾒込みが⽴つケースで、この流れを継続できるクラブは確実に減少するでしょう。全世界的なクラブ予算の減少に伴う移籍補償⾦⽔準の低下傾向はおそらく数年続くという⾒込みから、ここ1〜2年は本来の価値より安い移籍補償⾦で獲得できる選手、もしくはフリーで獲得できるベテランや経験豊富な選⼿を獲得する⼿堅いディールが増えると予想しています。
実際、ヨーロッパのクラブのスカウトと話をしていても、昨年の方が日本の若い選手の名前が出てくることが多かったように思います。ただヨーロッパの中で有望とされている若手選手であれば比較的値崩れのリスクは低い(数年後に価値が上がることが計算しやすい)ので、資金に余裕のあるビッグクラブがそうした選手に投資を行う流れは変わらないのではないかと見ています。一方で、ヨーロッパ圏外の地域からそうした選手を獲得する動きは減るのではないでしょうか」……
コロナ禍で揺らぐフットボールバブル
Profile
久保 佑一郎
1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。