FEATURE

フォーメーションの未来は○○次第

2020.04.12

林舞輝監督が語るフォーメーションとの向き合い方_後編

日々長足の進歩を遂げ、あらゆる面で高度化する現代サッカー。「ポジショナルプレー」や「ストーミング」のような戦術トレンドが誕生する中で、チームのゲームモデルやプレー原則を実践するためのフォーメーションについても、試合の中でより複雑に変化し一義的にとらえるのが難しくなっている。そんなフォーメーションというものをどう理解すればいいのか、最先端理論と現場の両方を知る奈良クラブの林舞輝監督に見解を聞いた。

後編では、フォーメーションをどう表現すべきか、そしてフォーメーションの未来について占ってもらった。

フォーメーションをどう表現すべきか

――(中編の話を受けて)だとすると、我われメディアや見ている人が試合を評価する時、単純にその試合のフォーメーションの形を見るだけではなくて、それが果たして狙い通りなのかそうでないのか、監督の意図も踏まえて考えないといけないわけですね。必ずしも、監督の指示として選手に伝えられてるフォーメーションと、現象としてピッチに表れるフォーメーションが同じとは限らないわけですから。

 「そうですね。例えば、ある試合で結果として[4-1-4-1]になったとして、試合後の記者会見で『どうして今日はフォーメーションを[4-3-3]ではなく[4-1-4-1]にしたんですか?』って聞かれたとしたら、『それはあくまで結果なんだけどな』って思います。フォーメーションを変えることにこだわっているわけでは全然ないので。そういうことはしょっちゅうあると思います」……

今、あらためて 「フォーメーション」を考える

Profile

久保 佑一郎

1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。