リバプールとシティ、これほどの立場逆転の理由は?
リバプールの「ハイブリット化」がシティを制した
2018-19に続き熾烈な優勝争いを繰り広げるかと思われたリバプールとマンチェスター・シティだったが、蓋を開けてみればリバプールが驚異的なペースで勝ち点を重ねる一方、王者シティが取りこぼし続ける意外な展開に。予想外の大差の要因とは? 林舞輝氏のこの分析は 1度目の直接対決が行われた19年11月末時点での見解だが、シーズンを通してみても示唆に富むものとなっている。
昨季、シーズン終盤に互いに怒涛の連勝街道を突き進み、最後までプレミアリーグ王者の座をめぐってデッドヒートを繰り広げた、マンチェスター・シティとリバプール。最終順位は、わずか勝ち点差1でシティの優勝。今季もこの2チームがプレミアの二大巨頭として激しい優勝争いを繰り広げる……はずだった。それが蓋を開けてみれば、2019年11月末の第14節終了時点で勝ち点差は11まで広がり、リバプールが首位を独走。第12節の直接対決では、ほぼ一方的な展開でリバプールが3-1で快勝した。これは、大方の予想を裏切る結果になっているのではないだろうか。
ペップには痛過ぎるGK・CBの離脱
これだけの差が開いた大きな理由の一つは、すでにあちこちで言われている通り、負傷者の数であろう。主力が軒並み万全、ローテーションも今のところうまくいっているリバプールに対し、シティはラポルト、ストーンズ、サネ、ジンチェンコ、ダビド・シルバ、ロドリ、エデルソンなどが序盤戦でケガによる離脱を経験、温存やローテーションといった言葉とは無縁のチーム状況が続いている。……
Profile
林 舞輝
1994年12月11日生まれ。イギリスの大学でスポーツ科学を専攻し、首席で卒業。在学中、チャールトンのアカデミー(U-10)とスクールでコーチ。2017年よりポルト大学スポーツ学部の大学院に進学。同時にポルトガル1部リーグに所属するボアビスタのBチームのアシスタントコーチを務める。モウリーニョが責任者・講師を務める指導者養成コースで学び、わずか23歳でJFLに所属する奈良クラブのGMに就任。2020年より同クラブの監督を務める。