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「ポジショニングが正しければタックルをする必要はない」のはなぜか?シャビ・アロンソ“監督”への目覚め(インタビュー後編)

2024.07.20

【特集】新時代の名将、シャビ・アロンソ革命#3

かつてレアル・ソシエダ、エイバル、リバプール、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘン、そしてスペイン代表をピッチ中央から操った司令塔は、タッチライン際でも絶大な影響力を発揮している。いかに古豪レバークーゼンを立て直し、就任2年目にしてブンデスリーガとDFBポカールの2冠、そして欧州史上最長の51戦無敗を達成したのか。新時代の名将、シャビ・アロンソが巻き起こす革命を特集する。

第1~3回では、スペイン誌『The Tactical Room』の2017年5月号に掲載された現役最後のロングインタビューを、前・中・後編に分けてお届け。18ものタイトルに彩られた18年間におよぶプロキャリアに終止符を打った当時、未来の監督は何を語っていたのか?

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――CL敗退後にドイツカップ(DFBポカール)も敗退し、リーグでは5連覇したシーズンの評価はどうですか?

 「良いシーズンだった。なぜならコンスタントさはリーグ優勝に反映されているから。ただ、もっと良くなったはずだったという感覚は残る。もっと上を目指していたので、面族はできない。個人的にはドイツでの経験には満足している。バイエルンで生きた時間、重要なクラブに参加できたことは素晴らしかった」

――前の2年に比べて、ブンデスリーガの競争力に違いは感じましたか?

 「あまり変わらない。試合に勝つのには苦労したが、一度勝ち点差が開いてしまうと優勝への道は同じだった。ライプツィヒも我われが直接倒すまでの前半戦は激しく抵抗してきた。ドルトムントは後方に下がってしまった。ドルトムントは我われのリズムについて来るかと思ったが、ついて来れなかった。ブンデスリーガを悠々と勝ったが、試合は悠々と勝ったわけではない。勝つのに苦労した試合は少なくなかった」

2016-17ブンデスリーガ第11節ドルトムント戦(●1-0)でボールを争うシャビ・アロンソ

――CLとドイツカップで敗退したことに加えあなたとラームが引退することで、チームは大きな変革の時期にきているのでしょうか?

 「遅かれ早かれそうなることはわかっていた。フィリップと私が引退し、数年後にはフランクとアリエン(・ロッベン)も同じことをするだろう。そうなれば同じレベルの選手で空位を埋めなければならない。極限の競争力を持つ選手の信頼し得る代役を見つけるのは簡単ではない。とはいえ、26、27歳の重要な選手がいるのもまた確かだ。チアゴ(・アルカンタラ)、ハビ・マルティネス、ダビド・アラバ、マッツ・フンメルス……。彼らは高い競争力を持っている。もちろん空位は埋める必要はあるが。監督とフロントはすでに動いていると聞いている。バイエルンでレギュラーを張れる選手を見つけるのは簡単ではないのだが」

――そんなリニューアルがあっても今後バイエルンは今後数年、欧州での地位を守ることができるのでしょうか?

 「もちろん。今のチーム状態は良好だ。競争力は落ちず、レベルは高いままだろう」

――あなたは偉大な勝利とタイトルを得ましたが、同時に挫折も経験しました。どうやってそれと付き合っていく方法を学んだのですか?

 「酷い痛みだ。敗戦の痛みは前以上に強くなっている。唯一わかっているのは時間が解決してくれること。言葉は慰めにはならない。私を会話で慰めることは大変難しい。唇を噛み締め、消化するプロセスを踏まなければならない。ほとんど体の痛みであり、悼むという感じでもある。重要な試合で力を出せなければ自分自身に怒ることになる。2年前ポルトで3-1で敗れた時、私はショックで上の空だった。『アリアンツ・アレナで逆転できるさ』と周りは言っていたが。第2レグの6-1まで私が回復することはなかった」

――あのポルトでの3-1後の夕食では、(マルセロ・)ビエルサの『今は毒を飲み込むしかない』というセリフを思い出した者もいたようです。

 「そう。飲み込むだけ。それしかない」

2014-15CL準々決勝ポルト戦の第2レグでチーム6点目を決め、チームメイトから祝福を受けるシャビ・アロンソ

――自分のレベルが低かったというフラストレーションもありますが、全力を尽くしたのに足りなかったというフラストレーションもあります。

 「それも痛いが、別ものだ。自分が上手くやって負けた時は、それを受け入れるだけ。サッカーではよくあること。とはいえ、痛いことは痛いけどね。昨季のアトレティコ・マドリー戦後の私は沈み込んでいた。なぜなら絶好の機会が逃げて行ったのだからね」

――あのアトレティコ・マドリー戦のリズムの話が出ましたが、あなたがセントラルMFとしてどうやってリズムチェンジに介入するのでしょう?……

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イサック・リュック&マルティ・ペラルナウ