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レアル・マドリーと奏でたロックンロール、アトレティコに課したリズム。シャビ・アロンソ“監督”への目覚め(インタビュー中編)

2024.07.16

【特集】新時代の名将、シャビ・アロンソ革命#2

かつてレアル・ソシエダ、エイバル、リバプール、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘン、そしてスペイン代表をピッチ中央から操った司令塔は、タッチライン際でも絶大な影響力を発揮している。いかに古豪レバークーゼンを立て直し、就任2年目にしてブンデスリーガとDFBポカールの2冠、そして欧州史上最長の51戦無敗を達成したのか。新時代の名将、シャビ・アロンソが巻き起こす革命を特集する。

第1~3回では、スペイン誌『The Tactical Room』の2017年5月号に掲載された現役最後のロングインタビューを、前・中・後編に分けてお届け。18ものタイトルに彩られた18年間におよぶプロキャリアに終止符を打った当時、未来の監督は何を語っていたのか?

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――あなたは生まれた時から監督像を守ってきたと言えます。あなたの父親のペリコは選手であり監督でしたから。監督の座についてはそういうイメージですか?

 「その通り。常にヒエラルキーと指揮系統を尊重し、監督の決断を理解し、なぜそうしてほしいのかを理解しようとしてきた。私は常に監督像に憧れていた。なぜなら結局、決断に影響するのは彼だから。ペップとの2年間も今のカルロ(・アンチェロッティ)との1年間も監督の役割というのを同じように守ってきた」

レアル・マドリーとバイエルンで各1年、計2年間にわたってアンチェロッティにも師事したシャビ・アロンソ

――その監督たちへの忠誠心が、内部的にはレアル・マドリーの選手たち、外部的にはバルセロナの選手たちとの関係に影響を及ぼしてきました。

 「多分そうだろう。それが現実だ。でも詰まるところ自分自身に、自分が感じるものに忠実にならなければいけない。これが自分の監督だと感じるなら、彼を守らなければいかない。私がすべてを守る、というのは違う。私はすべてを守るわけではない。同意できることもあるし、同意できないこともある。自分がやらないといけないと感じたことをしている限り、私は落ち着いていられる。それは実際には難しい。選手だけでなく、私にレッテルを貼りたいメディアもある。メディアのことはコントロールできないし、彼らとの戦争に参加したことはない。消耗するし、勝ち目もない。自分のしたことには後悔はない。スパイクを置いた時には自分自身にも他の人たちとも平和を感じられるだろう。もし誰かそういう気持ちでない人がいるなら、誰とでも話をする用意がある」

――バイエルンのある日の戦術ミーティングでペップはあなたのことを「今は身内だから言うけども、かつて私にとってシャビは……の息子だった」と冗談を飛ばしたそうですね。

 「まったくその通り。大笑いしたよ。私にとってもペップは同じだったと言った。だっていつも私たちに勝っていたからね。最後はこっちも勝ったけど。結局あの時は、ペップは彼らの者を守り、我われは我われのものを守っていた。そのことは未来には何の遺恨も残さない。それがサッカーだ。私は前に言った通り、自分のやったことは正しかったから今は平和でいられる」

グアルディオラの目前でブスケッツとボールを争うシャビ・アロンソ。現役時代に最も対戦したのがバルセロナで、通算8勝7分15敗。写真は2010-11リーガ第32節の“エル・クラシコ”(1-1)で

――キャリアを通じていくつの学校を通り過ぎて来たのでしょう?

 「アンティグオコ(少年時代のクラブ)、レアル・ソシエダ、リバプール、代表、レアル・マドリー、バイエルンの6つ。それぞれ定まったスタイルを持っていた」

――どこに、どの師匠に一番影響を受けた、というのはありますか?

 「どこでもたくさんの影響を受けた人がいた。アイディアを考える者とそれを実行するキーマンがいる。例えばリバプールではラファが戦術家だったが、その周りに(ジェイミー・)キャラガー、(スティーブン・)ジェラード、(ペペ・)レイナ、(ハビエル・)マスチェラーノらがいた。1人のアイディアを我われが忠実に守ることができ、アイデンティティを感じられたのは複数の者たちのおかげだ。あの時代は非常に重要だった。我われは2度CL決勝に進み、その1つを勝ち、リーグ優勝も争った。その後のレアル・マドリーでは監督も複数で、もっとダイレクトなスタイルだった」

トヨタカップ(現クラブW杯)2015年大会の決勝、サンパウロ戦(●1-0)前にチーム写真を撮るリバプールの先発メンバー。前列右から2番目がジェラード、後列左から1番目がレイナ、2番目がキャラガー、3番目がシャビ・アロンソ

――“ザ・ロックンロール”ですね?……

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イサック・リュック&マルティ・ペラルナウ