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適性はストライカーか、セカンドトップか。ヴィッセル神戸・宮代大聖が模索する「9番」の居場所

2024.04.27

[特集]日本人9番の潜在能力 #4宮代大聖(ヴィッセル神戸) 

「9番」という背番号は、点取り屋=ストライカーという印象が強い。過去にフットボリスタでは「日本人ストライカー改造計画」と題した特集で世界に通用するストライカーとは何なのか?を考えてみたが、あれから4年が経ち、若手の海外移籍が加速する中で、今Jリーグの舞台で活躍する日本人9番の現状に注目してみた。現代サッカーを生き抜く多種多様な9番はどんなキャリアを過ごし、これからどこへ向かおうとしているのか――。 

第4回は、今シーズンからヴィッセル神戸へと完全移籍を果たし、9番を背負って開幕から好調をキープしている宮代大聖だ。

山口、徳島、鳥栖。繰り返された《武者修行》の日々

 果たして、日本を代表する『9番』へのしあがるかどうか。今季、J1王者のヴィッセル神戸に加入した宮代大聖は、そんなテーマと向き合う若者の1人かもしれない。

 今季のすべり出しは上々だ。9節を終えた時点で4得点をマーク。3節のFC東京戦で先発に起用されてからコンスタントにネットを揺らし、シュート決定率は20%台に達している。ピッチ上で躍動する姿からブレイクの兆しを感じ取る向きも少なくないだろう。

 何しろ、ユース年代から将来を嘱望されてきた逸材。U-17、U-20両ワールドカップに出場し、いずれもゴールネットを揺らしている。もっとも、そのキャリアは必ずしも順調だったわけではない。

 あの三笘薫や田中碧らを輩出した川崎フロンターレのアカデミー育ち。トップに昇格した2019年は宿願のリーグ制覇を成し遂げた黄金時代の真っ只中であり、9番のポジションには不動のエースたる小林悠が、さらには翌20年に年間MVPと得点王の2冠を手にするレアンドロ・ダミアンがいた。……

Profile

北條 聡

1968年生まれ。栃木県出身。早大政経学部卒。サッカー専門誌編集長を経て、2013年からフリーランスに。YouTubeチャンネル『蹴球メガネーズ』の一員として活動中。