金なし、組織なし、経験なし
破産寸前の弱小チームが5度の欧州制覇!
奇跡の立役者は、敏腕SD=スーパー管理職。
「セビージャの王」の未来を読むマネジメント術
17年前、彼の愛する古豪サッカークラブはスペイン2部の弱小チームに過ぎなかった。多額の負債にあえぎ経営状態は火の車、資料を保管する引き出しすらないドン底状態だった。金も組織も経験すらもなかった男は、スポーツディレクション部門に革命を起こす。選手を安く買って高く売る「魔法の錬金術」――彼が構築した前例のない人材獲得システムは、今や世界のビジネススクールの研究対象になっている。セビージャを5度の欧州制覇に導いたモンチのゼロから目的を見つける能力は、先が読めない現代のビジネスシーンにも通じる実践的メソッドである。
<目次>
まえがき
誰もがモンチになりたい
編集者からの手紙:モンチの最高の遺産
あなたが読もう(学ぼう)としているものをどう解釈すべきか?
第1章 経済・組織で同時に勝つ秘訣
芝生の上よりベンチ生活が長いゴールキーパー
前にそうしたのなら変えないといけない
なぜW杯の後に選手を獲ってはいけないのか?
どうやって選手の売り時を見極めるか?
適応プロセスについての嘘と本当
いつ代わりの選手を用意するか?
選手獲得の際の容認できる負傷のリスク
第2章 コミュニケーションがもたらす必然の成功
監督の要求にどこまで応えるべきか?
なぜモンチは国際情勢欄を読むことを日課としているのか?
移籍交渉中の情報はいつ流せば都合がいいか?
第3章 業界独自の仕組みを理解せよ
なぜゴールはあんなに高価なのか?
契約を結ぶのに理想的な年齢とは…
MM2.0と情報テクノロジー
選手の年俸にはどのくらいお金をかけるべきか?
クラブは従業員である選手を好きな時に売っていいのか?
ファンに理がある時はあるのだろうか?
なぜこの監督で、あの監督ではないのか? 解任の時期をどうやって知るのか?
第4章 好循環を作る、賢いお金の儲け方
成功の母。いかにタレントを見分けるか?
選手獲得において最少年齢というのは存在するのか?
ここまで来たのだから交渉の席に座ろう
選手獲得はブランドイメージを高めるためか? それとも金を儲けるためか?
下部組織。どうやって? いつ? どこで? どのくらい? なぜ?
第5章 成功プロジェクトをさらに発展させる方法
どちらで戦うのが興味深いのか、CL? それともEL?
サッカー界の運。あるのか? あるべきなのか?
量が質を変えるというスティーブン・レビットの考え方
スポーツディレクターとファンは両立するか?
もし雨漏りがなければスタジアムにより多くのファンが集まるだろうか?
アスレティック・ビルバオを特殊にしているのは何なのか?
人間的要因。“モンチブランド”の価値
成功に死す(あるいは死なない)
堀江忠男の遺産〔日本語版書き下ろし〕
あとがき① 裸のスポーツディレクター
あとがき② スポーツディレクターは僕の父
訳者あとがき(木村浩嗣)
【DATA】モンチSD 17年間の功績
<訳者プロフィール>
木村浩嗣
Hirotsugu Kimura
元『月刊フットボリスタ』編集長。スペイン・セビージャ在住。1994年に渡西し2006年までサラマンカに滞在。98、99年スペインサッカー連盟公認監督ライセンス(レベル1、2)を取得し少年チームの指導開始。06年に帰国し、海外サッカー週刊誌(当時)『フットボリスタ』編集長に就任。08年に再びスペインへ渡り15年7月まで“海外在住編集長&特派員”を務めた後フリー。セビージャ市内のサッカースクールで指導中。15年以降シッチェス国際映画祭を取材。主な著書は『フットボリスタ主義』『フットボリスタ主義2』、訳書には『ラ・ロハ スペイン代表の秘密』『モウリーニョ vs レアル・マドリー「三年戦争」』『サッカー代理人ジョルジュ・メンデス』『シメオネ超効果』『グアルディオラ総論』(いずれもソル・メディア)がある。
<書誌情報>
定価:1760円(10%税込)
発行:ソル・メディア
発売日:2017年7月27日
仕様:四六判/並製/256頁
ISBN:978-4-905349-35-8
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