未来のサッカーを理解するキーワードは「言語化」にあり!
『フットボリスタ』の人気連載書籍化シリーズ第五弾
最近の欧州サッカーでは「ポジショナルプレー」や「ハーフスペース」など、聞き慣れない戦術用語が使われるようになった。
例えば、ハーフスペースはピッチを縦に5分割した際の2番目と4番目のレーンを指す。天才たちは言葉などなくてもこのスペースの有効性に気づいていたが、名前がつくことで誰もが天才の思考を手に入れることができるようになる。近年の欧州サッカーの進化は、目には見えない頭の中で起こっている。著者と林舞輝氏(ボアビスタU-22アシスタントコーチ)との特別対談「日本サッカーの日本語化をめぐる冒険」も収録。
<目次>
はじめに――なぜ、「サッカーの言語化」が必要なのか?
TACTICAL TIPS 1 「ポジショナルプレー」
ペップ・シティ、2年目で英国を飲み込む
欧州屈指の完成度。ナポリに宿る職人の魂
メッシ・システムの光と影。可変式3-4-3の意味
基本布陣はない。セビージャの円環システム
column 南米の宿敵ブラジル人との違い。アルゼンチン人監督の「言葉のチカラ」
TACTICAL TIPS 2 「プレス耐性」
MFのチームへ。ジダン色に染まるマドリー
CL決勝レビュー:ジダン・マドリーが無敵である理由
ネイマールはPSGで“メッシ”になる
最新戦術×駆け引き=最強セレソンの誕生
column 「ベッケンバウアーの再来」クロース。うま過ぎて、うまさがよくわからない
TACTICAL TIPS 3 「可変システム」
継承される異端戦術。アズーリからブルーズへ
ユーベの“守備的なトータルフットボール”
新世代監督ナーゲルスマンの分析力
シャフタールの静的ゾーンディフェンス
column ナーゲルスマンの先駆者たち。「若手監督」と「無名監督」の歴史
TACTICAL TIPS 4 「デュエル」
クロップ・リバプールのピーキーな魅力
ローマが示した“デュエルサッカー”の脅威
“ベルギー代表問題”に直面するユナイテッド
column クロップサッカーの源流。英国サッカーとダイレクトプレー史
TACTICAL TIPS 5 「4-4-2」
不思議なモナコ、敵を惑わす“アリ地獄戦法”
“狭く攻めて、狭く守る”RBライプツィヒの新機軸
乾のエイバルに感じた温故知新
U-20日本代表が提示した「ミクロの崩し」
column 路地裏のコロンビア対サッキ・ミラン。「狭いサッカー」の2つの系譜
特別対談 西部謙司×林舞輝(ボアビスタU-22アシスタントコーチ)
「日本サッカーの日本語化をめぐる冒険」
あとがき――ロシアでの夢の後で
<著者プロフィール>
西部謙司
Kenji Nishibe
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。06年の『footballista』創刊時から「戦術リストランテ」を連載中で、同誌が主催する各種サッカーイベントにも多数出演している。趣味もサッカーで、東京都シニアリーグで現役続行中。主な著書に『サッカー戦術クロニクル』シリーズ、『技術解体新書』(カンゼン)、『スローフット』、『1974フットボールオデッセイ』(双葉社)、『戦術リストランテ』シリーズ(小社刊)など。
<書誌情報>
定価:1650円(10%税込)
発行:ソル・メディア
発売日:2018年7月27日
仕様:四六判/並製/320頁
ISBN:978-4-905349-41-9
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