TACTICAL FRONTIER 進化型サッカー評論
footballista本誌の人気連載コラムが
加筆修正&書き下ろしを加えて書籍化!
新世代ライター・結城康平が論じる世界の“戦術革命”
アカデミックな視点から進化するサッカーの深淵に迫る!
中村憲剛氏との特別対談を収録!
サッカー戦術の最前線は近年急激なスピードで進化している。インターネットを通じて国籍、年齢、プロアマ問わず最先端の理論が共有されるボーダーレス化の先に待つのは、どんな未来なのか。世界各国で起こり始めている“戦術革命”にフォーカスし、複雑化した現代サッカーの新しい楽しみ方をWEB発の新世代ライターが提案する。
第1章 「戦術」の進化と、カオスを御するという思想
▼“長方形の鳥かご”に秘められたパスコースの新解釈
▼可変システムの鍵は「時間」のマネジメント
▼ハーフスペースが生み出す、崩しの新境地
▼ドイツ対メキシコにみる「トランジション・フットボール」の進化
▼ポジショナルプレーにおける連続性を支える「リサイクル旋回」
▼ストーミングの鍵?「オーガナイズド・カオス」という概念
▼2022年、フットボール戦術の現在地
第2章 「個」に求められる新たなスキル
▼心の筋肉を鍛える。メンタルの新概念「エモーショナル・マッスル」
▼数秒後の世界が見える「ラ・パウサ」
▼「プレス耐性」――新世代のMFに求められる個人戦術
▼緻密化するディストリビューション。攻撃の起点としてのGK
▼「補助CB」はフットボールをどのように変革するか?
▼ブスケッツの凄さの言語化。「Disguised pass」とは何か?
▼近未来のフットボールに求められる「個」のスキルとは?
第3章 フットボールを激変させる「データ分析」
▼試合を制する“スペースの支配”を「幾何学」によって再解釈する
▼勝敗に直結する新たな指標――「パッキング・レート」という挑戦
▼近未来の指標「ゴール期待値」は何を可視化するのか?
▼フットボール界の外で進化する、「パスソナー」が明らかにする世界
▼ オフ・ザ・ボールを評価する新指標「OBSO」とは?
▼ “弱者のマネーボール”を追求する新たな一大勢力
▼ 誰もが真似するデータ分析の革新的クラブと、輩出される優秀な人材
第4章 永遠の課題に挑む「育成」の最前線
▼アイルランドの育成を変える「リトリート・ライン」
▼プロアクティブ・コーピング理論――負荷こそが怪物を生む
▼制約主導型アプローチは、トレーニングの革命になり得るか?
▼戦術的ピリオダイゼーション総論。ゲームモデル=「複雑系」への対応
▼「実年齢」と「生物学的年齢」。育成における枠組みの変化
▼38人の少年と1人の少女と育ったホーランド。ノルウェーの「非エリート育成」
▼マーク・オサリバン。欧州で最も「異質」なるコーチが北欧で目指す革命
第5章 ビジネス×フットボール、「マネジメント」の科学
▼「新世代の指揮官」たちが持つ新しい能力
▼ランチェスターの法則から読み解く、強者と弱者のフットボール
▼ヒューマン・リソース・マネジメントから読み解く、8つのリーダーシップ
▼戦術とマネジメントの融合――「雰囲気」を科学する
▼「ティール組織」から、フットボールクラブの未来を占う
▼ビジネスにおける副官と、フットボールにおける副官
特別対談
中村憲剛と語り合う、現代サッカーの潮流、これからの世界と日本
<著者プロフィール>
結城 康平
Kohei Yuuki
宮崎県出身。スコットランドへの留学を経て、フットボールライターとしての活動を開始。海外の文献や論文を読み解くスキルを活かしてヨーロッパの概念を日本に紹介し、通訳・翻訳・編集・インタビュアーとしても活躍の幅を広げている。2019年に『欧州サッカーの新解釈。ポジショナルプレーのすべて』、2020年に『“総力戦”時代の覇者 リバプールのすべて』(ともに小社刊)、2021年に『フットボール新世代名将図鑑』(カンゼン)を上梓。同年には『エクストリームフットボール』(同上)で翻訳にもチャレンジしている。
<書誌情報>
定価:1,870円(10%税込)
発行:ソル・メディア
発売日:2022年5月31日
仕様:四六判/並製/288頁
ISBN:978-4-905349-63-1