モダンサッカーの教科書Ⅲ ポジション進化論
偽9番、偽SBが生まれる必然
プレー原則で配置と役割を設計する
「タスクの時代」の新基準
海外サッカー専門誌『footballista』で圧倒的人気のセリエAコーチ、レナート・バルディが複雑化するサッカー戦術を対話形式でわかりやすく解説
<目次>
イントロダクション――変化してきた「戦術」と「プレーヤー」の関係
第1章 【総論】ポジションからタスクへ
with アントニオ・ガリアルディ(イタリアサッカー連盟〈FIGC〉マッチアナリシス部門責任者)
背番号、ポジション、タスクを固定した「スペシャリストの時代」
特定のシステムに選手を当てはめる「駒の時代」
プレー原則で配置と役割を設計する「タスクの時代」
「コンストラクター」と「インベーダー」の分類
従来基準のポジションのアップデート
第2章 孤高からチームの一員へ―新時代のゴールキーパー像
あらゆる面での「フィールドプレーヤー化」
新時代のGKの具体的なタスク
レナート・バルディが解説する「ポジション進化論」の旗手たち
#1 エデルソン
#2 マヌエル・ノイアー
#3 ジャンルイジ・ドンナルンマ
第3章 「レジスタ化」するセンターバック
変化したCBの戦術的機能
モダンCBのプレー原則
最も「考える」ポジション
レナート・バルディが解説する「ポジション進化論」の旗手たち
#4 カリドゥ・クリバリー
#5 エメリク・ラポルト
#6 マルキーニョス
第4章 多様化するサイドバックとのタスク
現代SBの3タイプ
ゲームモデルによる攻撃タスクの濃淡
「トランジション」と「守備」のタスク
レナート・バルディが解説する「ポジション進化論」の旗手たち
#7 トレント・アレクサンダー=アーノルド
#8 アルフォンソ・デイビス
#9 冨安健洋
第5章 変質したセントラルMFの役割
組織的守備の進化と、レジスタの変質
GK・CBのレジスタ化とMFの万能化
レジスタ機能のチーム全体への分散
求められるのはシンプルなパスを確実に繋ぐ機能
古典的レジスタは生き残れるのか?
レナート・バルディが解説する「ポジション進化論」の旗手たち
#10 ジョルジーニョ
#11 レオン・ゴレツカ
#12 ロドリ
第6章 5レーンに適応した「2列目」の再構成
「万能型」攻撃的MFの重要性
ボックス・トゥ・ボックス型との違い
ウイングとトップ下の融合
インサイドレーンに攻撃的MF、大外レーンに逆足ウイング
レナート・バルディが解説する「ポジション進化論」の旗手たち
#13 ケビン・デ・ブルイネ
#14 ロレンツォ・インシーニェ
#15 ラヒーム・スターリング
第7章 偽9番の意味―新たなストライカーの在り方
with マルコ・ズニーノ(ボローニャ・スカウティングディレクター)
アタッカーの5つの分類
特殊進化型ムービングCFのロナウド
理想像はケイン、レバンドフスキ
求められるのはダイアゴナルなムービングCF、偽9番、万能タイプ
ホランド争奪戦の裏側
もはや空中戦の強さは求められない
レナート・バルディが解説する「ポジション進化論」の旗手たち
#16 ロベルト・レバンドフスキ
#17 ハリー・ケイン
#18 ロベルト・フィルミーノ
第8章 未来のポジション論
現場における「ポジション」の意味
フィジカル、テクニックからインテリジェンスへ
あとがきにかえて
日本の読者に感謝を込めて
<著者プロフィール>
Renato BALDI
レナート・バルディ
イタリア・カンパーニア州カーバ・デ・ティレーニ出身。地元のアマチュアクラブで育成コーチとしてキャリアをスタートし、セリエB のランチャーノ、バレーゼでカルミネ・ガウティエーリ監督のスタッフとして戦術分析を担当。ミハイロビッチがサンプドリア監督に就任した際にスタッフに加わり、ミラン、トリノ、そしてボローニャにも帯同。チームのパフォーマンスと対戦相手の分析を担う。共著に『モダンサッカーの教科書』シリーズ(小社刊)。
Michio KATANO
片野道郎
1962 年生まれ、宮城県仙台市出身。95 年からイタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。主な著書に『チャンピオンズリーグ・クロニクル』、『それでも世界はサッカーとともに回り続ける』、共著に『モダンサッカーの教科書』シリーズ、『サッカー“ココロとカラダ” 研究所』など。
<書誌情報>
定価:1,760円(10%税込)
発行:ソル・メディア
発売日:2021年1月25日
仕様:四六判/並製/240頁
ISBN:978-4-905349-54-9
<ご購入はこちら>