マルセロ・ビエルサ率いるプレミアリーグのリーズと、“ミシャ”ことミハイロ・ペトロビッチが指揮を執るJ1リーグの北海道コンサドーレ札幌。異なるリーグで戦う2チームの共通点、そして課題とは。『戦術リストランテⅥ ストーミングvsポジショナルプレー』が好評発売中の西部謙司さんが分析する。
コンサドーレのマンマークと0トップ
北海道コンサドーレ札幌が低迷している。第7節の横浜F・マリノス戦に勝利してからリーグ戦では9戦勝ちなし、9月16日の第12節サガン鳥栖戦でようやく勝利(0-2)したものの、そこからまた3連敗。20試合を消化した時点で15位に沈んでいる。
戦術的に今季の札幌は画期的と言っていい。[3-4-2-1]はそのままだが、運用が変わった。人を捕まえにいくマンマーク方式になっている。マルセロ・ビエルサやジャン・ピエロ・ガスペリーニを彷彿とさせる守備戦術だ。
基本的にはビエルサ方式と似ていて、マッチアップする相手を早く捕まえて、受け渡しもあまりしない。捕まえた時点でプレスの強度は最大化されていて、ボール奪取地点も高くなる。マンマークなので相手のビルドアップにおけるシステムの形状変化にも左右されない。……
Profile
西部 謙司
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。