2019-20シーズン、 就任初年度にしてRBライプツィヒを史上初の“ヘルプストマイスター”(リーグ前半戦首位)とCLベスト4進出へ導いたユリアン・ナーゲルスマン。迎える新シーズン、いったいどんな構想を描いているのか。20-21シーズンも、若き戦術家から目が離せない。
元同僚を驚かせた今季初戦
“最年少 CLベスト4監督”の称号にふさわしい、トリックで翻弄するシーズン初戦だった。
9月12日のDFBポカール1回戦、RBライプツィヒは2部のニュルンベルクと対戦した。
ニュルンベルクの新監督は、6月末までRBライプツィヒのコーチを務めていたロベルト・クラウス。つまりユリアン・ナーゲルスマンの戦術を熟知する相手である。
だがナーゲルスマンは、それを逆手に取った。昨季は1度もやらなかったシステムで臨んだのだ。
そのシステムとは、守備時に[4-1-2-3]([4-3-3])、攻撃時にアンカー(アメリカ代表のタイラー・アダムス)がDFラインに落ちて [3-4-2-1] になる可変型。奇策で相手を混乱させ、開始3分で早くも先制点して3-0で完勝した。
実は試合前、右SBのクロシュターマンが「うちの監督はクラウスを驚かせる策を絶対に用意してるはず」とインタビューで答えていた。まさにその通りになった。……
Profile
木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。
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