今シーズン、独走状態にある川崎フロンターレにおいて重要な攻撃カードとなっている三笘薫。プロ1年目で即結果を出せる理由は何なのか。三笘の前所属・筑波大学蹴球部のパフォーマンスチームデータ班で班長を務める内田郁真さんに、大学時代のデータも踏まえながら23歳の俊英の凄みを分析してもらった。
際立つ突破力と高い得点能力
三笘薫の躍進が止まらない。大卒ルーキーながら攻撃の面で驚異的なパフォーマンスを発揮。第11節セレッソ大阪戦では5試合連続となるゴールを記録した。
彼の特徴となっているのが、高い足下の技術から繰り出される変幻自在のドリブルである。緩急を使いこなし、前方にスペースがあれば一気にゴール方向へ加速し相手を置き去りにする姿は、元ブラジル代表でバロンドールを獲得したカカーや、バルセロナのフレンキー・デ・ヨンクを彷彿とさせる。
アタッカーとしての存在感は筑波大学在学中から突出しており、彼のプレーを一度でも見た人は口をそろえて「怪物」と言っていたことを覚えている。2017年に出場した天皇杯で、筑波大学がJクラブ3チームを倒すジャイアントキリングを達成した時の立役者でもあり、特に2回戦ベガルタ仙台戦における、50m超えのロングドリブルからの得点は、彼を世に知らしめるきっかけにもなった。
今回は、今季の試合データおよび大学時代に取得したデータを用いて今シーズンの彼の活躍について考察していきたい。……
Profile
内田 郁真
1998年2月生まれ、広島県出身。筑波大学大学院に所属しサッカーと画像情報の研究に従事。部員数は10人という絆深い超田舎高校サッカー部を経て、部員数150人超の筑波大学蹴球部へ。2020シーズンまでトップチーム専属データアナリストと、同部データ班の班長を兼任。スポーツデータアナリストとしてスポーツ界に貢献する事が目標。好きな選手はオリバー・カーンと楢崎正剛。B’zのライブに参戦する事が人生のモチベーション。Twitter id: @ikuma_uchida18