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孤独なシティと島民の初ゴール。プレミアリーグの珍記録あれこれ

2020.07.28

 7月26日に最終節が行われた今季のプレミアリーグでは、リバプールの30年ぶりのリーグ制覇がかすむほど奇妙な出来事が起きていた。英紙『The Times』が不思議なデータを紹介している。

チーム関連の奇妙な記録

 2位に終わったマンチェスター・シティは、イングランドのトップリーグ史上“最も孤独”なチームだという。優勝したリバプールには18ポイントも差を付けられたが、3位のマンチェスター・ユナイテッドよりは15ポイントも稼いだ。上下33ポイントに他のチームがいないのは記録だという(首位と最下位は除く)。

 ちなみにシティは、今季リーグ戦で引き分けが3つあったが、いずれも「2-2」のスコア。そのため一度も「0-0」か「1-1」のドローがなかった。これは1957-58シーズンのレスター以来となるトップリーグでの珍事だそうだ。

 上位3チームの名前にも注目である。今季は1位「Liverpool」、2位「Manchester City」、3位「Manchester United」の順番だったが、イングランド4部までの全92チームをアルファベット順に並べると、この3チームが途中で順番通りに並ぶという。これは1927-28シーズン(Everton、Huddersfield Town、Leicester)以来のことだとか。

 一方で、降格した3チームにも共通点がある。18位ボーンマス、19位ワトフォード、20位ノリッジが降格したわけだが、彼らは2015年にそろって2部から昇格した3チームなのだ。その時の順位も上からボーンマス、ワトフォード、ノリッジ。そして当時も、ボーンマスはFWカラム・ウィルソンが、ワトフォードはFWトロイ・ディーニーがチーム得点王だったという。

ゴールにまつわる様々な記録

 今シーズンの最終節も多くのゴールが生まれた。最終節は計33ゴールが飛び交ったため、1試合平均は「3.3ゴール」。第37節までの1試合平均ゴール数が「2.71」だったため、それを大きく上回ったことになる。実は、最終節がそれまでの平均ゴール数を上回るのは11シーズン連続のことだという。

 レスターのFWジェイミー・バーディーは、最終節こそ無得点だったが23ゴールで得点王に輝いた。33歳での得点王戴冠は、1948年のアーセナルのロニー・ルーク(当時36歳)以降で最年長だという。

 最終節には、実際に記念すべきゴールも生まれた。それは「マンU」でも「マンC」でもなく「マン島」のゴールである。今季セルティックからアーセナルに加入したスコットランド代表DFキーラン・ティアニーは、グレートブリテン島とアイルランド島の間に浮かぶ人口8万人の「マン島」の出身だ。

そんな彼が最終節のワトフォード戦で記念すべき初ゴールを決めたのだが、これはマン島生まれの選手による史上初のゴールだったという。

今季のプレミアリーグはこれで幕を閉じるが、来季はどんなドラマが、いやどんな珍事が待っているのか、今から楽しみで仕方ない。


Photo: Getty Images

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Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。

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