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カップ戦の再開日は決定したが…アルゼンチン勢はいまだ活動停止中

2020.07.12

 7月10日、南米サッカー連盟は加盟各国の幹部によって構成される理事会をテレビ会議形式で行い、新型コロナウイルス禍の影響で3月中旬から中断されたままとなっている2つのカップ戦について討議。その結果、コパ・リベルタドーレスが9月15日、コパ・スダメリカーナが10月27日にそれぞれ再開されることが決まった。

活動再開のめどは立たず

 同連盟はすでに再開に向けた感染予防ガイドラインを作成していたものの、南米大陸が誇るこれら2つのカップ戦に関しては、これまで約4カ月間も全く見通しが立たない状態が続いていた。だが、再開日が決定したことで、感染防止対策を取りながら活動を始めている世界のサッカーの流れにようやく追い付く形となった。

 だが、ここで大きな問題に直面しているのが、コパ・リベルタドーレスに参戦しているアルゼンチン勢だ。

 今年度のコパ・リベルタドーレスにアルゼンチンから出場しているのはリーベルプレート、ボカ・ジュニオール、ラシン、デフェンサ・イ・フスティシア、ティグレの5チームだが、いずれも3月から活動が停止したまま。

 政府が発令した強制隔離(ロックダウン)は今も続いており、全国的にどのクラブにもトレーニング再開の許可は下りていない。他の国ではすでにトレーニングが始まっているか、もしくは開始日を定めて準備の段階に入っているが、アルゼンチンではそのめどさえ立っていないのである。

練習開始の許可を申請か

 先月もお伝えしたとおり、すでにAFA(アルゼンチンサッカー協会)からはアルゼンチン全土において感染防止の検疫フェーズが4(新規感染者数が倍増するのに25日以上かかり、人々の移動も75%まで許可された段階)に入るまで全クラブを対象にトレーニングが禁じられることが明らかにされている。

 上記の5チームが本拠地を置くブエノスアイレス首都圏は現在、制限が最も厳しいフェーズ1にあり、制限緩和には積極的なブエノスアイレス市政府も、サッカー活動の再開を緩和の最終段階に設定している。

 アルゼンチンのスポーツメディア『TyCスポーツ』が国内のフィジカルコーチの見解として報じた情報によると、選手たちが試合に戻るために必要な準備期間は活動停止期間の50%だという。

 中断されてから現時点ですでに112日間が経ち、コパ・リベルタドーレス再開まではあと67日。つまり、遅くても今月中旬からトレーニングを始めなければ、選手たちは万全なコンディションでプレーできないことになる。

 そのため、一部のメディア関係者の間では、この5チームがAFAを介して練習開始の許可を政府に申請する可能性も高いと見られている。

 実際、ボリビアでは同大会に出場しているボリーバルとホルへ・ウィルステルマンが政府の特別許可を得てトレーニングを始める方向で動いている他、チリでもコロコロとウニベルシダ・カトリカが同様の措置を政府に求める予定だ。

 カップ戦の再開日が決まったのは大きなステップだが、南米サッカー連盟にとってもまだ大きな課題が残されている。感染の状況によってはそれぞれのホームタウンで試合が開催できない可能性もあるため、その場合の具体的な代替案を用意する必要がある。

 なお、日程が再調整されたことにより、当初今年11月に予定されていた両大会の決勝戦は来年1月下旬に行われることが決まっている。


Photo: Getty Images

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Profile

Chizuru de Garcia

1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。

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