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「ネットワーク分析」から考える、ストライカーの科学

2020.06.15

TACTICAL FRONTIER

サッカー戦術の最前線は近年急激なスピードで進化している。インターネットの発達で国境を越えた情報にアクセスできるようになり、指導者のキャリア形成や目指すサッカースタイルに明らかな変化が生まれた。国籍・プロアマ問わず最先端の理論が共有されるボーダーレス化の先に待つのは、どんな未来なのか? すでに世界各国で起こり始めている“戦術革命”にフォーカスし、複雑化した現代サッカーの新しい楽しみ方を提案したい。

 本能的な動きでエリア内に侵入し貪欲にゴールを狙う――ストライカーは原始的な本能を重要視するポジションだと考えられていた。歴史的なストライカーには気性の荒い選手も多く、様々な伝説が残っている。例えば「重戦車」の異名で知られたクリスティアン・ビエリは、インテル時代にロナウドと毎晩夜明けまで飲み歩いていたという。破天荒な生活を続けていてもゴールを量産する選手たちが、1990年代には重責を背負っていた。一方で、現代フットボールは最前線のプレーヤーに多様な仕事を求めるようになっていく。レアル・マドリーのカリム・ベンゼマやアーセナルのアレクサンドル・ラカゼットは、広い範囲を動き回りながら攻撃の起点としても機能する。徹底的に中央に残るストライカーは減り、必要となればサイドに流れながら味方のスペースを作ることも求められるようになった。戦術的な変化に加え、統計学の導入も見逃せない。ゴール期待値のような指標は、言語化が難しかった「ポジショニングの技術」を可視化することに成功しつつある。今回は再定義されつつあるストライカーというポジションについて、ネットワーク分析を主とした科学的な目線から考えていこう。……

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ストライカーネットワーク分析戦術

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。

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