ベルギーのフランデレン地域の地方紙『デ・ゾンダフ』は、過去2シーズンにベルギーリーグの試合を裁く審判員の6人に1人がホモフォビア(同性愛嫌悪)やトランスフォビア(性同一性障害嫌悪)のチャントを経験している、という調査結果を報道した。
LGBT嫌悪の傾向は増大
この調査は、毎年5月17日に行われる「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日」に先立ち、ブリュッセル自由大学の学生グループ「ロビンノックス」がベルギーサッカー協会からの委託を受けて、ベルギーサッカー協会に登録されている1162人の審判を対象にオンライン調査を行ったものである。
インタビューを受けた審判のうち16.8%が過去2シーズンにホモフォビアを経験しており、その中の31%が毎月(またはさらに高頻度で)チャントを受けていることを明らかにしている。
また、回答者の45%は「人種差別や性差別、同性愛嫌悪などの傾向が増大している」と答えている。
ベルギーサッカー協会は、この状況を深刻に受け止めている。ソーシャル部門の責任者であるアン・デ・コック氏は、次のように話している。
「私たちはLGBT嫌悪の問題を最小限に抑えるべく、LGBT関連の団体と協力しながら問題に取りかかっている。例えば『Football Of All』キャンペーンは毎年恒例となっており、秋には世界のサッカーにおけるLGBTの受け入れに関する国際会議も主催している。協会の規則は、厳格にかつ効果的に罰せられるように適応させた。私たちは同性愛者へのヘイトと、サッカーから有害なチャントを撲滅したいと思っている」
Photo: Getty Images
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シェフケンゴ
ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。