サッカークラブというのはただの会社ではない
Interview with
JOSÉ CASTRO CARMONA
ホセ・カストロ・カルモナ(セビージャ会長)
スポーツ面の成功を実現し、今や世界的な「強豪」の一員に仲間入りを果たしても、セビージャは地元を代表する“庶民のクラブ”であり続ける。2019年1月、「身近さは我われの力の源」と言う会長自らが取材に応じ、そのクラブ経営の成長モデルや流儀を語ってくれた。
※原稿内の情報はすべて取材時点のもの
満足の5年間、成功の秘密
疑いなく人だ。クラブを構成する人たち。
CFに得点させるのは実は裏方なのだよ
──今ホアキン・カパロス、スポーツディレクター(SD)とミーティングされていましたね。お忙しい中インタビューの申し込みを受けていただいてありがとうございます。あなたが会長に就任して6年目に入ったばかりですが、この間にEL3連覇を達成するだけではなく、売上高も伸ばし、念願だったスタジアムのリフォームにも着手できました。自らの仕事ぶりに満足なのではないですか?
「その通り。大変満足しているよ。会長としての5年間に加えて、取締役の時代や副会長としての11年間を合わせるとクラブに入って通算22、3年になる。確かに私が会長になった時にはすでにクラブは好調だったが、この5年間でさらに成長できた。経営面で重要だったのは売上を伸ばすだけではなく、インフラにも投資ができたこと。スタジアムの快適さをアップし収容人数を増すことで、よりアットホームに感じてもらえるようになったし、練習場の施設も良くした。何より大事なのはスポーツ面だ。スポーツ面が成長すれば他のものに成長の可能性を与えてくれるものだからね。……
Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。