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ラ・リーガ、リーグ戦再開に向けての練習モデルプランを用意

2020.04.06

 4月4日午前11時半現在、スペイン国内の新型コロナウイルス感染者数は12万4736人、死者は1万1474人。感染者は前日の3日にイタリアを抜き、アメリカに次いで世界2位になった。3月14日に非常事態宣言が発効されて外出原則禁止になっているが、感染者数、死者数とも増え続けており、さしたる効果は出ていない。宣言は4月11日で切れるが、政府はさらに15日間の延長を検討中。おそらく延長されるだろう。

 そんな中でリーガ・エスパニョーラの再開と言われても現実感はないのだが、その準備はしておかなくてはならない。ラ・リーガが再開のための練習モデルプランを用意して各クラブへ渡したことが、ラジオ局『カデナ・コペ』の報道で明らかになった。

3つの段階を踏んでトレーニング

 その概要は以下の通り。

 リーガ再開までの練習期間は最短で15日間。練習再開の前に選手やスタッフ全員に感染の有無のテストを行う。

 練習は「個別練習」、次に「グループでの練習」、最後に「全体練習」と段階を踏んでいく。事前に消毒された練習施設と練習用具はトップチーム限定仕様で、共有は禁止とする。

 「個別練習」では事前にテクニカルスタッフが練習メニューを送り、それに基づいたエクササイズを決まった時間行う。グラウンドに入れるのは最大2人、施設内にいられるのは最大8人。スタッフはそれ以上、選手が重ならないよう時間割を組まないといけない。ロッカールームの使用は禁止。自家用車を自分で運転して行き来する。

施設の使用人数を厳密に制限

 「グループ練習」はテクニカルスタッフが指揮し、8人の3グループで行われる。施設内でグループが重なってはいけない。ロッカールームは3つ使用し、1カ所を最大3人で使う。期間中は合宿となり、練習をしていない選手は1人部屋で待機する。食事は個人用の袋に入れて用意され、選手は食堂でそれを受け取り、部屋に帰って食べる。医師は必要に応じて感染のテストを行う。

 「合同練習」は、一見すると通常通りの練習だが、それまでの消毒、隔離などの措置は維持され、さらに厳格に適用される。ジムやマッサージルームを使える選手は同時に2人まで。ロッカールームはなるべく多く開放して最大3人のルールを守る。

 合宿中に感染者が確認された時には以下を徹底する。
①自宅などに隔離する
②全員のテストを行う
③施設や用具を消毒する
④医師の指示を仰ぐ

 一読すれば明らかだが、部外者の存在は想定されていない。再開されても観客を入れての試合はない、というラ・リーガの判断が透けて見えるようだ。


Photo: Getty Images

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コロナウイルス

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木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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