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アシスト王ルイス・アルベルト、正確なパスでラツィオを牽引

2019.12.09

 7日に行われたセリエA第15節で、ラツィオがユベントスを3-1で破り7連勝を記録した。25分にクリスティアーノ・ロナウドに先制ゴールを許したもののその後に盛り返し、前半終了間際に同点に。そしてファン・クアドラードを退場に追い込んだのちに、最終的には2ゴールを集めて競り勝った。

アシスト記録を更新したスペイン人MF

 リーグ戦においてラツィオが本拠地オリンピコでユベントスから勝利したのは、2003年12月6日(2-0)以来の出来事だった。また、この試合で新たな記録を作った選手もいた。スペイン人MFルイス・アルベルトはこの試合で2アシストを記録。6分に正確なクロスでルイス・フェリペのヘディングシュートを導くと、74分には30m強の距離からミドルパスを放ち、エリア内に飛び出したセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチにピタリと合わせた。

 これで今シーズンの通算アシスト数はなんと11。スポーツ統計分析会社『OPTA』によると、新年に突入する前のアシスト数としては20チーム制になってからのセリエAで歴代最多の記録だという。膝を痛めており、シモーネ・インザーギ監督いわく「練習に復帰できたのが昨日(12月6日)で、試合後は膝に氷嚢を当てている状態」でこのパフォーマンスなのだから、恐れ入る限りだ。

多彩なアシスト役が攻撃を支える

 ルイス・アルベルトはセビージャの下部組織出身で、17-18シーズンにはトップ下として13アシストを記録。昨シーズンはやや調子を落としたが、インザーギ監督は彼をインサイドハーフに下げることで復活を狙い、その通りになった。中盤で多くボールに触り、寸分狂わぬパスを飛ばす。「ルイス・アルベルトがボールを持ったら、とにかく動いてマークを外すようにしている。彼のパスは常に素晴らしいからね」とミリンコビッチ・サビッチは絶賛している。

 ちなみに、この「11」という数字は、欧州5大リーグを見てもケビン・デ・ブルイネ(マンチェスター・シティ)とトーマス・ミュラー(バイエルン)の9を超えてトップの数字だ。また、ラツィオはルイス・アルベルトのみならず、ミリンコビッチ・サビッチとチーロ・インモービレも5アシストを記録し、アシストランキング上位に送り込んでいる 。目下リーグ2位の得点数は、素晴らしいアシスト役の存在によって成り立っているのだ。

 スペイン代表にも復帰したルイス・アルベルトとラツィオとの契約は2022年まで。目下の大活躍により、クラブは年俸をアップさせた上で2024年までの契約延長を結ぶ交渉に入ったと複数の地元メディアが報じている。


Photo: Getty Images

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ラツィオルイス・アルベルト

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神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。

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