98年W杯出場選手で今も現役は?エメルソン、イ・ドングク、中山……
21年前のW杯戦士、今も現役は何人?
英紙『The Guardian』のウェブサイトに気になる記事があった。「今でも現役の1998年ワールドカップ選手は?」という見出しである。
読者から寄せられる様々な質問にみんなで答える『The Knowledge(知識)』というコーナーに掲載されている。普段は全く見当がつかないような難題ばかりだが、今回は違う。このテーマについては、日本が「主役」なのだ!
記事によると、今も現役なのは「7名」らしい。日本のサッカーファンならば、答えを見ずとも3名までは思いつくだろう。98年大会といえば日本が記念すべき初出場を果たしたW杯だ。当時の日本代表メンバーで今も現役生活を送っているのは、中山雅史、伊東輝悦(共にアスルクラロ沼津)、小野伸二(FC琉球)。ここまでは、日本のサッカーファンからすれば“常識”かもしれない。
だが、他国の代表選手になると話は別だ。誰ひとり思いつかないので、早々に考えることを諦めて記事に目を通すことにした。すると、最初に出てきたのはブラジル代表のMFエメルソンである。ローマやレアル・マドリードで活躍した守備的MFだ。
エメルソンといえば、2002年大会でセレソンの主将を務めるはずだった名プレーヤーだ。大会直前の練習中に“お遊び”でGKを務めた際に、ダイビングセーブをして肩を脱臼。参加辞退を余儀なくされた不運な男としても知られる。彼は98年と2006年大会に出場しており、98年には準優勝したチームで2試合に出場した。
さて、43歳となった今はというと、アメリカのマイアミ・デイドFCで選手兼クラブ役員を務めているそうだ。このクラブが所属するのは、セミプロやアマチュアチームが集うリーグだという。今シーズンもエメルソンが試合に出ているかは分からないが、クラブHPにはちゃんと名前が載っている。
韓国の英雄は40歳の今も第一線で
エメルソンの次は、元カメルーン代表のジョセフ・ヌド(Joseph NDo)だ。98年大会でグループステージ全3試合に出場した彼は、現在アイルランドにいるという。2004年から同国のクラブでプレーしており、現在はアキル・ローバーズという7部以下のクラブに所属しているらしい。
正直、どちらも本当に現役を続けているのか定かではない……。そんな中、ちゃんと国内トップリーグでプレーしている選手もいるという。それがサウジアラビア代表のフセイン・スライマーニー(42歳)である。ワールドカップ3大会に出場した彼は、現在自国のリーグでプレーしている。
元韓国代表のFWイ・ドングクも負けていない。98年大会で1試合に出場したストライカーは、40歳になった今もKリーグで活躍しており、今季も全北現代モータースの主将としてゴールネットを揺らしている。
もっと調べれば他にもいるかもしれないが、とりあえず記事に出てくる7名は上記の通りだ。7名のうち、実に5名がアジア人という結果になった。
Photos: Getty Images
Profile
田島 大
埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。