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4年半が経った今もなお続くアギーレ関与疑いの八百長裁判

2019.09.20

「アギーレ・スキャンダル」はまだ終わっていない

 スペインでの八百長事件は、その噂も含めていくつかあったし、ニュースとしてもお伝えしてきた。だが、日本人にとって最も馴染みが深いのは、あのハビエル・アギーレが日本代表監督を解任されたケースだろう。あの八百長事件の裁判が、今もまだ続いていることをご存じだろうか?

 もう昔のことなので、簡単に振り返っておく。

 2010-11シーズン最終節、レバンテ対サラゴサは、残留を懸けたサラゴサが一足先に残留を達成していたレバンテに勝利(1-2)した。目標喪失したチームが無気力試合で死にもの狂いのチームに敗れるのはよくあることだが、この試合で八百長が疑われたのは、関係者の証言や不思議な金の動き――サラゴサの監督や選手の口座に振り込まれたお金が試合前に一斉に引き出された、レバンテの選手たちがその夏のバケーションでほとんどお金を使った形跡がない――が、あったからだ。

 2013年、リーガはこの試合を八百長として告発、独自に捜査していた検察が「事件性あり」とし14年12月に起訴、この起訴を15年1月裁判所が受理した。これを受ける格好で2月、ハビエル・アギーレの任が解かれたのだった。

 こうして15年3月に始まったはずの裁判が4年半経った今も続いているのは、17年に一度時間切れと証拠不十分で結審したものが、検察の再審請求が認められ、今年9月から再開されることになったからだ。

 この再スタートで、検察の任意出頭(14年10月)から数えて、最初の裁判(15年3〜5月)、そして今回と3度も証言台に立つことになった者もいる。ただでさえ、被告人42人(該当試合の招集メンバー全員を含む)の大型裁判で、その中には元アトレティコ・マドリーのガビ、現パリ・サンジェルマンのアンデル・エレーラら有名選手も含まれているから、その度に大騒ぎが繰り返された。

 ところで、この八百長事件にもう1人、日本人に馴染みの深い監督が関わっている。それがセレッソ大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナである。10-11シーズン、デポルティーボの監督だった彼は、サラゴサの残留と引き替えに降格を経験しているのだ。

 『マルカ』紙の取材にロティーナはこう答えている。

「(裁判には)何も期待していない。過ぎたことだ。私にとっては正義は存在しないようなもの。苦しむものは苦しんだ。たとえ裁判官が買収があったと今認めたところで、私にとっては何の解決にもならない」

Photo: Getty Images

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ハビエル・アギーレ文化

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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