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インフォグラフィックで振り返る日本代表のコパ・アメリカGS総括

2019.06.27

河野大地のインフォグラフィック企画

2分1敗でGS敗退に終わり、20年ぶりのコパ・アメリカから早々に姿を消した日本代表。結果こそ伴わなかったが、未来を担う若手が曲者ぞろいの南米勢相手に躍動。希望も見えた今大会を、データ・情報を「可視化」させるインフォグラフィックの達人、“GIUBILOMARIO”こと河野大地が振り返る。

インフォグラフィックの解説

 青のユニフォームで臨んだ初戦のチリ戦こそ苦戦しましたが、白のユニフォームで挑んだウルグアイ戦エクアドル戦ではチーム全体のパフォーマンスも向上。未来の日本代表に希望が見えたことから「A NEW HOPE」というお題を勝手に付けた上で、白の持つ「始まりを感じさせる」「刷新」といった心理効果も含めてグラフィック全体を白系統で統一しています。

 そして選手の背景にある白い幕は“ショーケース”でもあるコパ・アメリカという大会で数字を残して、世界中に選手個々のクオリティを誇示できたことを表現。また選手全員の足下にボールがあるのは、GSの全試合において、ボールを持ったら常に前進することを意識し決して守備偏重にはならず、臆することなく南米の列強に立ち向かっていった選手たちへのリスペクトの意味も込めています。

光るスタッツを残した4人

 今回は南米サッカー連盟(CONMEBOL)の公式サイトにあるスタッツページ(データ提供:Opta社)の情報をもとに、インフォグラフィックで採用させてもらった4選手のパフォーマンスを簡単に振り返っていきます。

久保建英(レアル・マドリー・カスティージャ)

 今夏に“エル・ブランコ”(レアル・マドリーの愛称)の一員となった日本の至宝こと久保選手。GSで記録したキーパス(ラストパス)8本のうち7本をエクアドル戦で記録。他にも勝率こそ高くはないもののデュエルチャレンジ数36回はチームトップ、ドリブル試行回数はチーム2位の14回と、密集でもわずかなスペースを見つけては「ボールを前進させるぞ!」という意識の高さを見せてくれました。恐るべし18歳。今後の飛躍に期待せざるを得ません。

中島翔哉(アル・ドゥハイル

 彼のプレースタイルには賛否あるとは思いますが、対人処理において物理的な強さと圧倒的な自信を誇る南米諸国のDF陣にためらわずに前進できる強靭なメンタルは他に代えがたいものでしょう。チリ戦でのボールロスト頻度と放棄気味のプレスバックは明らかなボトルネックでしたが、試合を重ねるごとにパフォーマンスが改善されていました。GS全試合でのドリブル試行回数はチームトップの15回。実際に彼が相手を2、3人引きつけることで、味方の周囲には大きなスペースができていました。

三好康児(横浜F・マリノス

 これまでに出場したアンダーの国際大会ではパフォーマンスにムラのある印象があった三好選手でしたが、コパ・アメリカ最多優勝を誇る強豪ウルグアイ戦で驚異の「枠内シュート2本/総シュート2本」で2ゴールをマーク。 彼と対峙したラクサール選手は独特の間合いから繰り出されるドリブルに付いていけず、負傷してしまうという出来事もありました。この大会における1試合2ゴールは後世に語り継がれるでしょう。彼自身の今後の去就にも注目が集まります。

柴崎岳(ヘタフェ)

 GS全試合にフル出場し、攻守にわたって獅子奮迅の活躍を見せた柴崎選手。3試合で164本のパスを成功させ、中でもエクアドル戦ではパス成功率90%を記録。またチーム2位のキーパス6本もさることながら、ボール奪取7回&デュエル勝利11回とトランジションの局面での粘り強さも光りました。2018-19シーズンは所属先のヘタフェで不遇の時を過ごしてきましたが、今回のショーケースでは出色の出来でしたので、出場機会を得られるクラブからの魅力的なオファーも期待できることかと思います。

Infographic: Daichi Kawano
Photos : Getty Images

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コパ・アメリカ2019日本代表

Profile

河野 大地

宮崎県出身。約10年の広告制作会社勤務ののち、長年趣味で行なっていた映像編集技術・データ分析・インフォグラフィックに関するスキルを買われ、スポーツテック業界へ2018年に転籍。現在は株式会社SPLYZAにて試合映像分析アプリの開発・運用にUI設計&デザイナーとして携わる。「スポーツのデータ分析×クリエイティブの融合」を目指し日々修行中。4児の父。

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