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ベルギー杯&2部優勝のメヘレン。八百長で昇格取り消しの可能性

2019.05.10

2部クラブがベルギーカップ優勝の快挙

 5月1日、ブリュッセルのスタッド・ドゥ・ボードワンで、ベルギーカップ決勝のヘント対メヘレンが行われ、2部のメヘレンが32年ぶりの優勝を果たし、2部優勝との2冠を達成した。

 1部のレギュラーシーズン上位6チームで戦うプレーオフ1に参戦する強豪ヘント相手に、31分にフランス人MFジャン・リュック・ドンペに先制点を決められたメヘレンだったが、38分にカウンターで右サイドを抜けた前ヘント所属のMFロブ・スホーフスのクロスから、元U-21ベルギー代表FWニコラス・ストルムが決めて同点に追いついた。

 後半にはセットプレーから、コロンビア人DFヘルマン・メラが頭で合わせ、メヘレンが逆転に成功。逆転されたヘントは、1月にシント・トロイデンから獲得したウクライナ代表MFロマン・ベズスらを投入し、猛攻を仕掛けるものの、GKミハエル・フェリプスがビッグセーブ連発。堅守速攻を貫いたメヘレンが32年ぶりの優勝を果たした。悪夢の降格から立ち上がるべく、元ベルギー代表FWイゴール・デ・カマルゴを始め、国内外から多くの実力者を集めたメヘレンは、目標とする2部優勝のみならず、ベルギーカップ優勝と充実したシーズンを送った。

財政破綻を乗り越えて

 80年代には、ベルギーを代表する名GKミシェル・プロドーム(現スタンダール・リエージュ監督)、元ベルギー代表DFレイ・クライシュテルス(元女子テニス選手キム・クライシュテルスの父)らが在籍し、アンデルレヒト、クルブ・ブルッヘなどと優勝争いを演じた。1987-88シーズンのUEFAカップウィナーズカップでは、決勝でアヤックスに勝利し優勝。翌88-89シーズンではリーグ優勝を果たした。

 90年代からは財政難に苦しみ、チームは下位に低迷。2003年には財政破綻。新クラブ「イエロー・レッド・KVメヘレン」として再建され、3部から再スタートを切った。07年に1部へと復帰し、18年に降格するまで11年間在籍し、2000年代にはベルギーリーグ初の日本人選手である遠藤雅大(2000-01)、ベルギー出身の元台湾代表DF陳昌源(2007-13、2016-17)らがプレーしたクラブでもある。

八百長で昇格取り消し&EL出場権剥奪?

 そんなメヘレンだが、実は昨シーズンのレギュラーシーズン最終節でワースラント・ベベレンに2-0と勝利した試合が八百長疑惑の対象になっている。同時開催の試合で、残留争いのライバルだったオイペンが、途中出場の豊川雄太のハットトリックなどで4-0で勝利し、得失点差「1」の差でオイペンが残留、メヘレンが降格となった時のことだ。

 ベルギーカップ優勝チームには、来季のヨーロッパリーグのグループリーグ出場権が与えられるが、『Sporza』によるとメヘレンには「昇格取り消し」「勝ち点-12」「ELの出場権剥奪」、対象試合の相手チームであるワースラント・ベベレンには「2部降格」「勝ち点-6」という処分が下る可能性が出てきている。

 また八百長試合を仕組んだとされるメヘレンのヨハン・ティメルマンス元会長、ワースラント・ベベレンのディルク・フイック会長、メヘレンに大きな影響力を与えるとされる代理人デヤン・ヴェリコビッチ氏など13名のクラブ役員、代理人らには資格停止処分が検討されている。

 八百長に関わったとされるメヘレンは、ベルギーサッカー協会に対し、潔白を主張している。もしメヘレンとワースラント・ベベレンに処分が下された場合、1部最下位だったロケレンの残留、2部2位のベールスホット・ウィルライクの昇格の可能性がある。またEL出場権に関しては、各プレーオフに参加しているクラブへの影響が大きく、メヘレンへの処分が決定しないと、今後の対戦カードも決められない状況になっている。混乱はまだ続きそうだ。

Photos: Getty Images

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八百長

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シェフケンゴ

ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。

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