今季、ドルトムント好調を支える要素の一つがセットプレーだ。RBライプツィヒとの開幕戦では、ロイスの左からのFKがオウンゴールを誘発して逆転。さらに、その3分後にはCKをデラネイがヘディングで合わせて、GKが弾いたところをウィツェルがオーバーヘッドで決めた。アウグスブルク戦ではラファエル・ゲレーロがFKから浮き球のパスを裏に出してパコ・アルカセルが得点し、シャルケ戦ではロイスのFKにデラネイが合わせて決めた。セットプレーによるゴールは計10点。これはリーグ2位の数字だ。
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— スカパー!海外サッカーNEWS (@skyperfectv) 2018年12月15日
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こうしたFKやCKの連係を担当しているのが、アシスタントコーチのマンフレッド・シュテフェス(51歳)である。かつてボルシアMGでプレーした元DFで、引退後は同クラブで指導者になりハンス・マイヤー、リーネン、フロンチェク、シューベルト、ファブレらの下でアシスタントコーチを務めてきた。ファブレとはすでに4年働いており、この10歳上の元上司がドルトムントの監督に就任する際に声をかけられた。
実績を考えると2部や3部で監督を務めてもおかしくない。だがシュテフェスは「ザントハウゼンの監督よりドルトムントのコーチがいい」と考え、1部にこだわっている。ミヒャエル・ツォルクSDは「彼はブンデスを知り尽くしている」と絶賛するが、本人はメディア露出を好まず、その存在はあまり知られていない。
シュテフェスは戦術面におけるファブレの相談役でもある。ゲッツェを生かすために偽9番での起用のプラス点とマイナス点を2人で書き出し、最終的にファブレがその起用法を決断した。今後も、シュテフェスの頭脳がファブレを支えていくだろう。
Photos: Bongarts/Getty Images
Profile
木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。